見出し画像

読了「無限の網」

先日、読みかけなのにもかかわらず、タイミングを逃すわけにいかずに紹介した本「草間弥生自伝 無限の網」を読み終えた。

圧倒されて言葉がない。

そこには善も悪もなく、胸に抱えた己のか細くゆらめく生命のともしびをただ絶やさないために、世界全体を燃焼させてゆく1人の女性の姿があった。

彼女の書く文章は、彼女の創り出した芸術作品同様、自分に正直で、冷静に自分をみつめ、美しく、一切の矛盾を包括したような強烈なエネルギーを放っている。

印象的な言葉をメモしようと思ったら、本ごと丸写しになりそうなので、図書館で借りたのに、結局購入することにする。

もし興味を持たれたら是非試し読みして下さい↓

そして矛盾するようだが、私は本を注文しておきながら、じっくり読み返すことはないように思う。

つまり自分がなにかしたくなる。
そんな本だ。

ヘッダー画像は
草間弥生さんと交流のあった
ジョージア・オキーフさんの作品の写真をおかりした。
とても妖しく美しい湿った女性のようである。

私はとにかく知識がないので、この本で出てくる気になる人を片っ端から検索した。(私にしては異常事態)
たくさんの出会い、興味の扉がそこにはあった。

ドナルド・ジャッドもそのうちの1人だ。検索すると美しく奇妙なバランスが魅力的なコラージュ作品がたくさんでてくる。

美術鑑賞をするにあたって、その芸術家の人生を調べたことがない。

そのエネルギーが火山のように爆発して、遠い異国の地の海岸にいる私の足元までやってきた、その破片をみて今まで私は「ああ綺麗だな」と感じていたのだ。

相当なショックのようだが、出会うもの出会うものにいちいちそのようなエネルギーを感じていたらこちらの身がもたないので、私は基本的にこのやり方でいこうと思う。

ただ、手に触れたり、みたもの、聴いたものなんでもだが、自分の嗅覚がなにかを知らせるように思うとき、その生い立ちを調べてみると、とんでもない宇宙の始まりを知ることができるということを発見した。

それはわけ知り顔の興味本位で覗くようなものではないので、尊厳を壊さぬように真摯な態度で襟を正してみる人間でありたいと思う。

つまり面倒なので今後もあんまり調べないだろう。

とにかくもうドギマギした。

読んで偉そうなことを言わない人に私はこの本を手に取って欲しいと思う。

結局、この本を宣伝したいのか、大切に秘密にしたいのかわからないし、私の生活に影響を及ぼしそうでたいしてあまり及ぼさない気もする。

つまりここまで書いて
こりゃいったい
なんのはなしですか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?