無言いろいろ
「無言」について考えること、思い出すことが増えてきたので羅列する。
①父のエピソード
父は三男だが、言葉が遅かった。
全く話す気配のない父を心配して
周りの人があれこれ言う中、
自分をおぶった母が
「なーんも心配ない。大丈夫。大丈夫。」
とゆったりとして言ってたこと、
それから母親の背中の温もりをしっかりと覚えているという。
喋らなくったって全部わかってるんだ。
そして今はどうにかして欲しいほど
おしゃべりだ。笑
②無言結界
興福寺の僧侶から一生に一回しか受けれない難しい試験の話を聞いた。
試験3週間前から勉強部屋以外では一切口をきいてはいけないんだそうだ。
この部屋では座ったまんま眠る。
部屋の明かりは春日大社からいただいた火で灯したロウソクのと火ばち、あとは窓から差し込む若干の太陽の光だけ。昼でも薄暗い。
話し相手はほとんど身の回りのお世話の一切を引き受ける童子さんのみ。
童子さんは、行者(受験する人)さんが、外で話さなくてもすむように露払いや、話せない旨の事情説明なんかも引き受ける。
部屋は胎内をイメージさせる。
童子さんが外でかわりに話してくれるのは、幼子につきそう母親の役割に似ている。
③赤ちゃん
赤ちゃんは話さない。
でも誰にも教わらないのにありとあらゆることを学んでる。
自分の体を触ったり、いろいろ口にふくんでみたり。
顔を手で触ってみると
手が顔を触っている感覚と、
顔が手に触られてる感覚がある。
こんなこと繰り返して
身体全体の動かし方を理解するなんて不思議すぎる。
ずっと会話を聞いて、音に意味があることに気がついて、会話ができるようになるとかさ。
赤ちゃんって天才。
④ピタゴラス
noteで『あなたへのおすすめ』で出てきた記事に載ってたんだ。
ピタゴラスに秘伝を教わるには
弟子は5年間沈黙を守る必要があったんだって!
弟子になったら豆食べちゃいけないことしか知らなかったよ。
やっぱり黙ってたら賢くなるのかな。
⑤まとめ
無言っていうのは、むしろ喋るエネルギーを節約して、五感を全部使って凄い勢いでいろいろ吸収してるのかもしれない。