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[真珠]後悔と生きる(ニュース感想)

50年間潜伏生活をした人が、
今際の際に本名を明かして
亡くなったというニュースが世間を賑わしている。

潜伏生活の原因となった事件を私は詳しくは知らない。
調べてみると、被害に遭われた方も多く、大変な事件であったようだ。

一方、潜伏生活の様子を読んでみると、住み込みの仕事をしながら、ずっと独り身で、音楽が好きで皆に慕われたりしている。

50年、なんと長い時間であろうか。

はじめのうちは逃げているだけだったかもしれない。でも、この人は、後悔の念をじっと抱えながら、新しい名前(偽名)の人生を、制限ある中、丁寧に生きていたような気がする。

「最期は本名で逝きたかった。」

二つの名前の人生を一つにして
トータルで神の天秤にかけてもらいたい人から出る言葉だと思う。

「後悔しているのか?」
との警察の問いかけに
「ずっと。」
と応えたそうだ。

真珠は貝の体に入った異物を、幾重にも取り囲むようにして育つ。
異物がなければ真珠は生まれないのだ。

これほどの事件でないにせよ、
私達も多かれ少なかれ
悲しい思い、後悔、反省、悔しい気持ちを抱えて生きている。

やってしまったこと、やらなかったこと、言ってしまったこと、言えなかったことは消えない。

過去は変えられないなら、今、そしてこれからをどう生きるかが大切だ。

一生を終えるとき、腹の中からいくつかの真珠を取り出して、まずまずだったと思いたいものだ。

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