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廃道:高速道路:名神高速道路・今須カーブ(岐阜県関ケ原町)

高規格で新しく建設される高速道路にも、いざ開通して通行が始まると、事故が多発したり大渋滞を引き起こしたりして、改良工事が行なわれることがある。改良工事の中には、道路自体を付け替えてしまう思い切った対応が採られることがあり、そうした場合に「高速道路の廃道跡」が生まれてしまう。その代表例が、名神高速道路の「今須カーブ」である。

今須カーブの区間は1964年(昭和39年)に開通しているが、事故が多発したために、わずか14年後の1978年(昭和53年)にトンネルを通る今のルートに付け替えられた。廃道になって40年以上経つため、遺構はわずかしか残っていないが、空から見るとおぼろげながらかつての急カーブの線形をなぞることができる。

名神今須カーブDJI_0123b

改良前と改良後の線形比較図(『日本道路公団三十年史』より)。
図中に「現道」と書かれているのが改良前。トンネルの建設によって、下り線の「登り坂の先に急な(4.50%)下り坂があってスピードが出たまま半径260mのカーブに突っ込む」という線形が大きく改善されている。

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