アニメ映画『すずめの戸締まり』ダイジン考
まず最初に書いておきます。
この記事はアニメ映画『すずめの戸締まり』を1回観ただけで書いているため、未検証の内容、独自研究、もしくは噂や憶測等が含まれる場合があります。
カナメイシとして
ダイジンは元々は「カナメイシ」として地震の元凶であるミミズを押さえていたという設定だが、その設定の元ネタは鹿島神宮(茨城県鹿嶋市)や香取神宮(千葉県香取市)にある要石。
鹿島神宮の要石。奥宮のさらに奥、社叢の奥深くにある。まわりを瑞垣に囲まれていて神聖な趣だが、実際現地で見てみると意外と小さい。
地震は地中にいる大鯰が動いて起きると信じられていて、その大鯰の頭を押さえて動かなくして地震を防いでいるとされたのが要石だ。
こちらは香取神宮の要石で、鹿島神宮のものに対して丸い石が飛び出ているのが印象的。鹿島神宮の要石と香取神宮の要石で凸凹のセットとして扱われることもある。
造形の元ネタは「仮面の女神」
「カナメイシ」であったダイジンは鈴芽によって引っこ抜かれてしまうのだが、引っこ抜かれるときに、三角形に筋が入った顔のような形が一瞬見える。
この造形の元は、おそらく「仮面の女神」と呼ばれている縄文時代の土偶。こちらは長野県茅野市の中ノ原遺跡から出土していて、今は同市の茅野市尖石縄文考古館で保存・展示されている。国宝に指定されている。
以前、2021年9月に茅野市尖石縄文考古館を訪れたことがあったが、その時は新型コロナ禍で閉館中だったため、見ることができなかった。リンクを張っておく。
石にされてしまった猫
これは直接設定とは関係がないのだが、石にされてしまったダイジンをしのんで、石にされてしまった猫の像。