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喧騒を離れ”パリ”へ~Bunkamuraザ・ミュージアム「写真家ドアノー/音楽/パリ」

ロベール・ドアノーの写真展に行ってきた。
ドアノーと言えばやはりパリ。第二次大戦時のナチス占領下ら解放された歓喜に湧く時代から現代に至るまで、市井の人々の様々な表情を撮り続けてきた。

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会場は1940年代のパリの空気

ひとたび足を踏み入れると往年のパリに来たかのよう。
戦前戦後芸術家たちに変らず愛されたパリであったが、戦火を潜り抜けた花の都は、「狂乱のパリ」のようなはじけるようなエネルギーは影を潜めていた。明るくもどこか愁いを湛えている。それは精神的なものに留まらず、その日暮らしの人びとの身につまされるような苦しむでもあったのだろう。

市井の人びと

ドアノーはつねに市井の人びとに目を向ける。

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チラシにも使われているこの一枚。「流しのビエレット・ドリオン」。
パッと見た感じではどこかのファッションモデルかと見紛うくらいの端整な顔立ちであるが、彼女は流しのアコーディオン弾きである。一日の稼ぎといってもさほどにはならない。夜な夜な居酒屋に相棒の歌うたいと現れる。どんな音色を奏でていたのだろう。

裏側のパリ

楽しさも愁いなど様々な顔を持つ街、それがパリ。
しかしその裏通りには、どんな時代も変わらず人々が静かに暮らす街並みがある。もう一つのパリ。

エリック・サティの家

これは、パリの外れにあったエリック・サティの家である。
このようなモノクロ写真を見るといつも思ってしまう。どんな空が覆っていたのだろうかと。抜けるような青さか、心ふさぐような灰色か。

それにしてもBunkamuraはパリ、それもモンマルトルの雰囲気が似合う。ような気がする。
渋谷という狂乱の街にありながら、喧騒を離れ小高い丘に位置するところも似ている。美術館のエリアを出ると、中庭にはドゥマゴが。

日常を忘れて心安らげる空間、展覧会であった。




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