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今更にXenobladeXが好きだと明かそう
先月末(執筆時点)突如として発表されたXenobladeX Definitive Edition
兎にも角にも急すぎる発表だったために心の隙間に無理やりドデカい感情をねじ込まれてしまった。
拙くも文章をちまちま上げている身ながら、自身は心底好きなモノについて妙に秘匿的になってしまうクセがある。一人でも多くのオタクに触れてほしい気持ちは常に持つものの、よそに出さない感情が何年も累積して自分でも言語化不能なほどに「好き」の気持ちが捻じ曲がって上手く伝えられなくなってしまう。
しかしリマスター版が出るこのタイミングで本作に対する感情を明かさないことは惑星ミラに対してとても不義理であると感じているし、このままだと好きなタイトルを伝えるタイミングが本当にないな…ということで、これを機に紹介していこうと思う。
XenobladeXの魅力があまりに多すぎるため、かなり説明を端折っています。3月末のリマスター版を買って遊んでもらった方が話が早い可能性があります。
そもそもXenobladeXって何なんだ
謎の異星文明同士の争いに巻き込まれ、やむなく地球を放棄することを選んだ人類は「地球種汎移民化計画」を発動。無数の移民船が地球を離れるも多くは撃沈。
辛くも逃げ切った移民船”白鯨”は居住可能な惑星を探す過程で異星文明からの追撃を受け墜落。人類は不時着した未知の惑星「ミラ」を居住可能なものとすべく開拓を開始する。
「XenobladeX」はXenobladeシリーズ二作目としてWiiUで発売されたオープンワールドRPGで、異様な作りこみと広大さを持ったオープンフィールド、巨大ロボットをカスタムして乗り回す独自性、澤野弘之氏による魅力的なBGMの数々など、メインシステムこそXenoblade(無印)と同じながらファンタジーらしさが鳴りを潜めた大規模なSF作品となっている。
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本作は大衆的な評価で言えば”賛否両論”であり、シリーズの名を冠しながら世界観デザインやストーリーに接続性が薄いことが特に否寄りの意見として多かった印象がある。ただ2や3もほとんど無の状態から新規に世界観構築がなされているので、今になって俯瞰で見てみれば意外と本作も「Xenobladeシリーズ」の枠組みから爆発的に抜けているワケではない気もする。
無印のストーリー中盤以降に顕著である、強烈なメカ描写を前面に押されたところに不和を感じたユーザーもいたのだろうなとも思う。
”賛否両論”と言ったとおり、逆に本作の特徴が全力で心に突き刺さったユーザーも多い。自身もその一人だ。
WiiUのマシンスペックを何もかもぶち抜く、まさにこの「惑星ミラ」に不時着でもしなければ遭遇できなかったであろうひたすらの未知に圧倒されることが本作最大の面白さであると感じている。
オーパーツのようなフィールド
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実は自身がXenobladeシリーズに初めて触れたのは無印ではなく本作であり、先入観を一切持たないままに惑星ミラの膨大な魅力にひたすら殴られたことをよく覚えている。
本作の舞台である「惑星ミラ」は
広大な草原が広がる「原初の大陸」
幻想的な木々が重なる「夜光の森」
荒地や断崖に砂煙が吹きすさぶ「忘却の渓谷」
純白の砂に未知の植生が続く「白樹の大陸」
黒い岩壁を溶岩が包む「黒鋼の大陸」
このように大きく5つのエリアに分けられている。
新たな大陸に足を踏み入れる度にそれまでとは全く異なる景色が広がり、個性豊かな原生生物たちも生息している。あちこちでスクショを撮っていたモノが残っていたのだが、並べていくとよりその違いが際立って見えるだろう。
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フィールドひとつでも大陸ごとにガラッとイメージが変わり、岩壁の影に迷宮のような洞窟の入口が隠されていたり、湖の中心や溶岩洞窟の深部に手も足も出ない怪物が潜んでいたり…驚きの多い探索はとにかく楽しい(目の前に強敵が現れて肝を冷やしたことの方が多いが)。
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探索と戦闘を拡張する「ドール」
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本作を語る上で外せない要素といえば、やはり「ドール」だろう。
ゲーム進行の中でライセンスを取得することで使用が可能になる搭乗型ロボットで、それぞれが独自の人型形態/車両形態を持っている。
ドールの全身に備わったアタッチ部には、強大な敵に対抗するための武器を複数搭載することができ、その種類もライフルやバズーカ、ランチャーに留まらず…大剣やビームクロー、ひいては6連レールガンや巨大ドリルなんてものまである。
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とにかくメカ造形が凄まじく、人型形態から車両形態へとスリムさを維持したまま変形するギミックが特にクールだ。変形アニメーションもじっくり見るとデフォルメを効かせずに破綻なく可動しており、作りこみの細かさに驚かされる。
戦闘での心強い味方であるのと同時に、この可変機構による探索の利便性向上という点でも大いに活躍してくれ、さらにはフライトパックによる飛行機能さえも備わっていく。このメカ好きをどこまでも唸らせていくような苛烈なビジュアルを宿す「ドール」も、自身の好きな要素だ。
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余談だがオリジナル版当時コトブキヤから上記画像、およびメインビジュアルにもいるFormula一機のみがキット化されていた。気付くのが遅く今ではあっという間にプレミア化しているが、リマスター発売に合わせて再販してくれないだろうか…
澤野弘之による壮大な楽曲たち
本作をまさに「XenobladeX」たらしめている最大の魅力は、澤野弘之氏が全曲を手掛けたBGMにこそある。数々のドラマやアニメの劇伴を担当している同氏だが、それらに少しでも触れたことがあるならば、メインテーマひとつで本作の雰囲気を明瞭に感じ取れてしまうと言っていいかもしれない。
それらの曲の中にはガッツリ英語ボーカルが入っているモノも多く、特にイベントシーンや戦闘曲といった苛烈になっていく局面を、同氏の楽曲は大胆に盛り上げてくれる。
自身が特に好きなのは
一瞬で通り過ぎるログイン画面に潜む名曲「Melancholia」
荒々しく豪快な「忘KEI却KOKU心」
前後半でテンションが大きく動く「Black tar」
高高度の爽快感を強める「Don't worry」
これら4曲だ。もちろん他にも好きな曲しかないが…
それまで自身はBGMや劇伴を特定の作曲家単位で理解するようなことが少なかったのだが、本作で一気に”澤野弘之の楽曲”というもの自体が好きになり、同氏の楽曲を作品に触れるきっかけに選んだりすることもある。
つまるところ
まだまだ語りたいところは山ほどあるが、詳細すぎてもややこしいだけなのでこの辺にしておこう。リマスターにおけるDiskbomバグの是非なんてどこでも話せないのだから
これの下書きを書き殴っていた6月の段階では新品が¥3,300と数年前から妙に安定した価格だったのだが、リマスター発表以降気付けば値上がり傾向のようで、今では¥4,298となっていた。
オリジナル版の段階ではストーリーが未完である点や、シリーズのうちの一作として見ると逸脱したコンセプトである点は意見が大きく分かれるところだが、刺さる人にはどこまでも突き抜けていくタイプのゲームなので、リマスター版の発表に合わせてもし興味があれば触れてみてほしい。
いくら安くても現代でWiiUを持っているオタクなんてもう既に惑星ミラに取り残されてる方が多いか
モノリス!!!ちゃんとストーリー終わらせてくれるんだよな!?!?!?