ナタ初日の感想をざっくりめに
先日ついに実装された炎の国「ナタ」
Ver5.0現在で追加された魔神任務やフィールドの軽い探索を済ませてなんとなく国全体の雰囲気が掴めてきたので、現時点での感想を簡単に話していこうと思う。
本記事後半ではナタ編のネタバレを含むため、ストーリーのネタバレを避けたい場合は目次などを活用してほしい。言及するのは以下。
魔神任務 第五章 第一幕「栄華と炎天の途」
魔神任務 第五章 第二幕「白石に埋もれし黒石」
フィールドの空気感
まずフィールド全体の雰囲気について。前年のフォンテーヌが地上はほぼ平地、水中が国の6割ほどを占めていて探索に単調さが見えてしまったこともあってナタの起伏に富んだ地形は新鮮に映った。
茶色の岩壁と輝く結晶に覆われた山岳エリア
背の高い木々に包まれる森林エリア
白い岩肌に水が豊かな海岸エリア
このようにそれぞれの部族の住まう場所はどれも印象が異なり、一山超えた先でそれまでとは真逆の地域性を見せてくれるサプライズ性もあるデザインが歩いていてとても楽しいポイントだ。全体で見て起伏が多いというのはそれだけで探索のストレスになりかねないが、ナタはいくつもの台地が階段状に並んでいるために崖と平地(天面)のバランスがちょうどよくなっており、探索における緊張のバランスが見事だと感じる。
移動が面倒な崖登りもテペトル竜(岩のヤツ)やユムカ竜(草のヤツ)によって大きく緩和されているほか、テペトル竜と同等の崖登り性能を持つカチーナの全体配布によって移動で過度な負荷を感じた瞬間は少なかった。
強いて言うとするなら竜憑依スタミナや夜魂値の代替となる燃素の取得がやや受動的な点だろうか。スメールのスタミナ草のように壁に直置きしたり、あるいはオブジェクトに接近するだけで自動で吹き出たりするようであればもっと楽だったのに、とは感じる(この辺は今後の地域追加で改善されそう)。
楽曲とか
これまで通り曲調の大きな変化でモチーフとなる地域の民族楽器が感じられるのはもちろん、ナタでは普段のフィールド背景や戦闘時でもコーラスの主張が明確で、デザインモチーフだけでなく戦いを主軸とし続けてきたナタの文化、戦士を鼓舞する活気ある強さを読み取れるのがとてもカッコいい。
スメールでもインドチックな民族イメージを感じられたので似たような文化レベルであるナタでどう差別化をするのか気になっていたが…女性コーラスや木琴、スティールパンなど明るい音色にオカリナなどが加わってより原始的に、徐々に隆盛し始めているナタの発展性みたいなものを感じられ、またこれまでとは異なるアプローチにハマった。
ストーリーに対する具体的な言及は後述するとして、メインテーマはコーラスの比率が多いのもあって”BGM”というより”楽曲”というイメージ。スメールやフォンテーヌのテーマもすごく好きだったが、今回もいきなり肉薄する迫力がある。
キャラクター造形
ナタに登場するキャラクターはどれも立ち位置や色使いが特徴的だ。イベントUIや建造物にグラフィティが多分に使われていることもあってキャラクター造形でも非常に彩度が高く、色味の強い岩壁や装飾の数々を背にしてもキャラの輪郭がぼやけないようになっているのがすごい。
ムアラニは赤茶色がメインカラーになる中央エリアで真っ白な髪が目立つことで印象が薄れにくいのに対して、故郷である海岸エリアでは逆に背景と色味が統一されることでバックボーンとの整合性が取れて浮き立つことがない。
カチーナはクリーム色にオレンジの差し色とナタ全体に調和する色味から立ち位置が薄まってしまうように見えるが、実際は黄緑のブーツとスカーフによってバランスが取れているほか、何よりもビビッドな空色の瞳が目に付く。実際プレイするとより分かりやすいがUIの強調色すら無視するような彩度の高さなので、本当に目の片隅に映り込んだだけでも引き込まれる。
キィニチはナタではほぼ使われない黒や紺を基礎にしているのでどこにいても常に視認性が良く、ムアラニのような故郷との統一性も控えめ。そこに青緑色やアハウ(横の変なヤツ)の存在もあって現時点で相当異質に見え、草元素で似た色合いでいえばアルハイゼンが近い。
意図的にズラしているであろうこれらは新地域のインパクトを出すべく他2人と並んだときの色味のバランスを取るためだろう。
全然関係ないがアハウの存在が全てにおいて本当に意味不明すぎて面白い。なんなんだコイツは一体…(なので評判任務もやりたい)
【ネタバレ】魔神任務の雑感、ナタの民族性
まず何よりも驚きだったのが、ナタ人にとって死は恐れる必要のない一過性のものである、という点。
これは帰火聖夜の巡礼を勝ち抜いた戦士にのみ与えられる最終保険なので全国民が当然のように享受できるワケではないものの、それでもプレイアブルキャラが「俺は死んだことがある。なかなかない体験だぞ」「戦いが私たちの義務、当然のこと」と言い放つ姿勢に少し引いてしまった。
しかしそれはアビスの侵攻を食い止め、かつ犠牲を最小限にするために炎神が作り出した概念で、このシステムがなければナタの文化性など維持できたもんではない…という説得力がストーリー内で付与されるため、読み進めるほどに必然性が伝わり、飲み込めるようになってくる。
そもそも国ごとの文化体系や信仰対象の違いはよそ者からすればどれも不和を感じる要素であり、そうしたデリケートな部分を真っ向から描写して世界観に織り込んでくるのは旅をテーマとする原神ならではの表現になっていて興味深い。
初見では冷酷に見えてしまう炎神もストーリーを進めることで思慮深く映り、元は常人だったこともあって同じ目線に立つシーンでは人柄が強く出ていてこれまでの神と違った親近感を覚えやすい。
ゆえにカチーナを助けるべく盟友との思い出の品を焔のエネルギーに変換せざるを得なかったり、ナタの破滅の未来を阻止するべく肉親や姉妹との繋がりを断って世俗を捨てたり…
これまでもこれからも、常人であることをユーザーに強調して親近感を抱かせるほどに思い出を炎に変えて燃え続ける覚悟が一層強く伝わってくるのはストーリーラインとして非常に独特で、だからこそ今後の展開に期待が持てた。
つまるところ
初日にガッツリ進める年一の体験そのものがワクワクや楽しさに満ちていたのはもちろん、毎度ながらガラッと雰囲気を変えて世界に深みを生み出しているのが素晴らしい。ナタ編ストーリーもまだまだ序章ながら盛り上がりが強く、今後のアップデートも楽しみだ。
ひとまずはキィニチに向けて素材集めをしつつ、ナタの世界観にどっぷり浸かっていこう。