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そろそろ蒼き雷霆の好き曲語りをしよう

蒼き雷霆ガンヴォルトはインティ・クリエイツで生まれました。ロックマンゼロじゃありません、インティのオリジナル2DACTです。しばし遅れを取りましたが、今や巻き返しの時です。

サムネのキャラデザは好きだ。

キャラデザがお好き?結構、ではますます好きになりますよ。
さぁさどうぞ、Switch版のPVです。

カッコいいでしょう?んああ仰らないで。
アクションが爽快、でも2DACTなんて攻撃が当たらないと楽しくないし、よく滑るわ、すぐ床がひび割れるわ、ろくな事はない!

ロックオンからの追尾攻撃もありますよ、避けるのに集中しても大丈夫。
どうぞブリッツダッシュをしてみてください、いい触り心地でしょう。余裕の高機動だ、開発力が違いますよ。

一番気に入ってるのは…

なんです?

楽曲だ。


蒼き雷霆ガンヴォルトってなんやねんの話

改めて、「蒼き雷霆(アームドブルー)ガンヴォルト」はロックマンゼロシリーズなどの開発に携わったインティ・クリエイツが送るオリジナルの2Dアクションゲーム。
第七波動(セブンス)という特殊能力に目覚めた人類が出現した近未来。主人公であるガンヴォルト(通称GV)は、巨大企業「皇神(スメラギ)グループ」がもたらす抑圧から能力者たちを解放するために戦っていく。

ガンヴォルトは雷撃を操る能力を持ち、ダーツ銃によって敵に避雷針を打ち込み、雷撃を誘導させて次々撃破する…という独特な戦闘スタイルを持つ。
この特異な戦い方はゲームシステムにも当然組み込まれており、事前に敵をロックして雷撃を放出すれば後は攻撃操作をほとんどせず避けながら攻撃できてしまう。
攻撃を当てるまでが容易なために間口が広くとっつきやすい顔を持ちながらも、本気でスコアアタックに挑むと「画面内の敵をいかにしてまとめてロックするか」「ステージ内の雑魚をどのような順番で倒せばよりハイスコアを狙えるのか」といった緻密なルート構築を要求される深みも持ち合わせている。

行動パターンを観察する余裕を与えられてなお、それを上回るようなド派手な必殺技を繰り出してくる個性豊かなボスとの戦闘や、前述のあらすじでなんとなく伝わるようにルビが炸裂しまくる厨二っぽさの詰まった言い回し、ステージ進行と共にキャラもガンガン喋るライブノベル方式など…
本シリーズの良さはまだまだ語り尽くせないほどだが、なんといっても一番の良さは戦闘中に流れる数々の楽曲にあるだろう。

ゲーム内にて敵を倒して稼いだスコアが一定値に達すると、ヒロインの特殊能力によって顕現する電子の揺精(サイバーディーヴァ)モルフォが様々な楽曲を歌ってテンションを上げてくれる。
ゲームプレイ中は実のところ”モルフォが歌ってくれること”そのものにあまり意味はない。ステージ進行を盛り上げることでゲーム全体を彩り、また高いスコアを維持したくなるモチベーションにも繋がるのみの「分離されたシステム」とも言える。

ウ~ンかわいいです

しかし当然それだけで終わるモノではない。戦闘でHPが0になりガンヴォルトが倒れた時、低確率で「ソングオブディーヴァ」が発動し、勇猛なメロディと共にパワーアップした上で復活させてくれるのだ。それはまるで絶対的危機から復活して形勢逆転を決める特撮ヒーロー番組のようで、そうした作品を通っているオタクであればそのアガりっぷりはよく伝わるだろう。

通常進行ではプレイヤーのテンションUP、ゲームオーバーの瞬間は逆転の一手、またストーリーにおいては重要なキーとして楽曲が輝き、歌詞はストーリーを読み込むほどに重みが出てくる。
特撮における挿入歌、あるいはマクロスシリーズのように、作品全体を楽曲群が包んでいるような一体性こそが蒼き雷霆ガンヴォルトの最大の魅力であると感じている。

メインCD揃えるくらいには好き

さて、作品紹介で前置きがかなり長くなってしまったがガンヴォルトシリーズに登場する楽曲で自身が好きなものを紹介していこうと思う。楽曲から入ってくれてもめちゃくちゃ嬉しいので、ネタバレはどうにか回避しながら喋れるように努力する。

好きなモルフォの楽曲

碧き扉

離れないで離さないで 迷わないで信じている
「独りに感じても君だけじゃない世界は」
立ち上がって立ち向かって きっときっと輝き出す

初っ端に挙げるべきはメインテーマ(蒼の彼方)であるべきなのだが、自分としては無印の代表曲といえばこちらだと勝手に思い込んでいるのでこちらから。まず前提として本作の楽曲はゲームスピードに合わせるべくある程度BPMに縛りがある上で作られているため、それぞれには往々にして疾走感やリズミカルさなどが付随している。
それでもこの曲は冒頭からいきなり”切り裂け 切り裂け 雲を(空を)”とヒロイックに始まっていて、歌詞のそれぞれから駆け抜けていくことに背を押すような気持ちが見えてくるのがカッコいい。システム側からもカッコよく動き回ることを推奨されるために作中との親和性もあるのが好きな理由。

輪廻(リインカネーション)

解けないココロ溶かして 二度と離さないあなたの手
いつの日か世界が終わる時も あなたさえいれば怖くないの

前述の「ソングオブディーヴァ」で流れる楽曲。引用しているのは冒頭のフレーズなのだが…ヒロインにこんなこと言われたら本気で立ち上がるしかないだろ!!!!!と強烈に心を奮起させてくれる。
歌詞全体を通して”偽りの中で唯一澄んでいるあなた”や”雲間から覗く光”というように逆境の中にある希望を提示するようなフレーズが多く、また流れるタイミングが限られているからかヒロインたるモルフォの心情の反映も強い。復活の歌として下がったテンションをしっかり引き上げてくれるだけでなく、やや儚さも詰まっているところが気に入っている。

彼の記憶(ヒノメモリア)

それは遥か昔から約束されたと 君は微笑んだ 悲しく
それは遥か彼方へと旅立つ為だと 僕は背を押され

シリーズ最新作「蒼き雷霆ガンヴォルト鎖環(ギブス)」のメインテーマ。ナンバリングを経てなお戦いに身を投じ続けたガンヴォルトにいつまでも寄り添うモルフォの視点で進む楽曲で、重い現状に立ち向かうガンヴォルトを大切に想うようなフレーズがある中に”二人とも知っていた”とモルフォ自身もまた覚悟や尊重、あるいは心中を共にしていくような暗さも持っているところに打ちのめされる。
鎖環自体がシリーズに一旦のピリオドを打つ作品ということもあって、ヒロインの心の内とタイトルのフィナーレを重ねている点も非常に印象深い。

幻想巡夜(エルゴスム)

心が求めるもの 止まることを知らぬとも
此のまま消え失せたら 正体さえも掴めない

こちらが好きな理由はだいたい碧き扉と同じなので言いたいことはほぼ同義になってしまうが…駆け抜けること自体に背を押してくれるのが碧き扉だとするなら、幻想巡夜は”進み続ける他ない”と物語(自身)を進める引き金は疾走を続けることだ、と明確な回答をしてくれる点に大きな違いを感じている。

ステージ進行の意味合いを歌に置いているような”澱まないで 染まらないで 生きるしかなくて”というほんのりメタっぽい言い回しの面白さがあるのも、碧き扉とはまた違うアプローチで好きだ。

好きなRoRoの楽曲

”待”ってたぜェ!この”瞬間”をよォ!

ダリナンダ アンタイッタイ RoRoって誰だよ急に…という話だが、こちらはシリーズ二作目「蒼き雷霆ガンヴォルト爪(ソウ)」に登場するもう一人の主人公、アキュラに添う第二のサイバーディーヴァである。めちゃくちゃ噛み砕いて言うのであれば、俺の推し

多元的宇宙(マルチユニバース)

疼いた痛みに 目を背ける深淵 数多の渚 超えたら 光の距離を知るの
その時確かに 息衝いた紺碧が 揺らめく君の影を裁く…

新ヒロインのメインテーマとして堂々スタートを切る楽曲。RoRo自体がモルフォの力の欠片から生まれた疑似再現ディーヴァのような立ち位置なこともあってか電子音たっぷりで、ボーカルにもガッツリエフェクトがかかっていてモルフォの曲とは全く異なる雰囲気になっている。
歌詞にやたらとカッコつけがあったりするのがアキュラのクールなイメージと噛み合い、新主人公による新アクションを力強く色付けてくれるストレートぶりが気に入っている理由。「結局作中ずっと擦られるテーマって好きになるよね理論」だと勝手に思っている。

キミとエクスプロージョン

此処まで来たから解る 不合理(チグハグ) 世界(ワールド)
いつまで独りで塞ぎ 怒りを隠すの?

アキュラが主人公の外伝作品「白き鋼鉄のX(イクス)」に登場するこの曲は、初登場作から築き上げてきたRoRoのポップで明るいイメージを破壊するパワーに溢れている。「燃やせ!爆ぜろ!声をあげろ!」と痛烈な鼓舞をしてくる熱血なフレーズについ頭が痛くなるが、それでも”キミの中にぼくがいるよ”と目線を合わせて手を差し伸べる歌詞にはアイドルソングっぽい印象もある。
疑問提起からの激しいシャウト、トドメに寄り添う…主人公をサポートする立場ながら低みにはいない対等さ、あるいはさらに優位性があるようにも見えて好き。

大祓(イグナイター)

混沌 更改 猛勢 最盛 乃至は 降誕
此れ 其れ 即ち 我為る 針路を 照らすは
灯火篝(かがり)て 無音の共鳴と

こちらはRoRoの「ソングオブディーヴァ」で発動する復活ソング。初登場の爪(ソウ)から外伝のX(イクス)に進むにあたってCVが交代(遠藤ゆりか→峯田茉優)しているのだが、CVが変わってもなお復活ソング自体はそのままにリニューアルされているので今回は自分が好きなイクスverをピックする。

モルフォの復活ソングがそのまま強いメッセージ性を放っていたのとは対照的に、こちらはタイトルに大祓(おおはらえ)とあるように儀式的に単語を羅列する不思議な歌詞になっている。断片的なイメージを重ねまくった無茶苦茶なフレーズが続きながらも神聖に聞こえ、技術の結晶であるRoRoが和風なテーマを引っ張ってきている真反対ぶりに新鮮味もある。あれやこれやが奇妙なままメロディだけが通ってくる感じが素直に面白く、一切の聴き馴染みを感じさせないところが好きなのかもしれない。

命題:>(コマンドプロンプト)

無くしたものならすぐ側にあった それに気づかず泣いてた
過ぎた自分にさよなら

ウワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!

歌姫の激重感情!!!!!最高!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

RoRo、ひいてはガンヴォルトシリーズで一番好きな楽曲。イクスの続編である「白き鋼鉄のX2」のメインテーマで、突然未知の世界に飛ばされたアキュラとRoRoの不安感や絆がハチャメチャに還元濃縮された歌詞がひたすらぶん殴ってくる。
ネタバレはしないとした手前なにも深い言及ができないのだが、作品を跨いでいく世界観や戦いの累積によって互いに語らず、再確認せずとも鋼の絆が出来上がった上でこの楽曲に繋がっている事実そのものが既に完璧なのだ。
個人的には1番と2番で変遷が生まれているのが特にお気に入りで

  • 無くしたものなら→壊したものさえ(すぐ側にあった)

  • それに気づかず泣いてた→それに気付けば晴れるさ

  • 過ぎた自分にさよなら→過ぎた時間も愛しい

  • ここで止まったら→ここで止まらない

過去の負い目や嘆きを引きずっていた1番から振り切って突っ走るような2番に繋いでゴールしていく流れに爽快感があり、アキュラとRoRoの関係性のアンサーとテンポに乗れる楽しさもあって何度も聴きたくなる。

おまけ

境界なき神話(エピソード)

現在(いま)は 何度も 唱えるだけで 溢れ湧き出づる力
問い糺す魔物も息を潜め 姿消す この世界の枠組みさえ手に入れて [もっと]
努々忘るるなかれと 心に刻む

主題である二人からは外れるが触れておきたい。こちらは鎖環にて登場した第三のディーヴァルクシアのメイン楽曲。DLCでさらに追加楽曲はあったものの発売当初はこの一曲のみで、たった一曲ながら絶大な存在感があって急激にお気に入りになった。

ルクシアはカッコいい

タイトルにそのまま”神話”と入っている通り大祓(イグナイター)のような神々しさがあり、徹底的な厨二歌詞にクールな歌声が重なって強い説得力を生んでいるのがこれまでとは違うアプローチで良い。いやしかしこの楽曲の感想、本当に純粋な意味で「かっけぇ…」以外に湧いてこないんだよな…やっぱルクシアのCDも買おうかな…

つまるところ

軽く語ってたのし~~~~!!で終わろうと思って書き始めたはずが、なんかすっごい長くなっちゃった…見通しが甘い
少ないながら自分が通ってきたタイトルの中でもトップクラスにお気に入りな作品なので、つい今まで語れていなかった分を放出してしまった。音楽関連の語彙がマジで終わってるので正しく伝わったかイマイチ定かではないが、挙げてきた楽曲が何かしら刺さったり、あるいはシリーズに触れるきっかけになれば嬉しく思う。

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