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結局どっちなんですか【Xenoblade3 DLC感想】
Xenoblade3 DLC追加ストーリー「新たなる未来」をようやくクリアしたので感想を書いていこう。
Xenoblade3本編にて「Xenobladeシリーズ」が終結したワケだが、このDLCストーリーはその前日譚…どころかついでにとんでもない爆弾を大量にぶん投げてきやがった。
当然だが本文にてXenobladeシリーズすべてのネタバレを容赦なくかますので注意。
徹底された補完力
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本作をプレイしていて特に強く感じたのが、今までのシリーズで残されていた謎や曖昧な要素を「一作できっちり補完する」ことの徹底だ。
その最たる例がエイことアルヴィース、つまりウーシア。
シリーズプレイヤーにとってウーシアがトリニティ・プロセッサーのうちの一基であり、世界が巨神界(機神界)とアルストに分かれた際に巨神界側に飛ばされたのは周知の事実であるが、本作ではさらに
ロゴスとプネウマの間を取り持つ裁定者(人格)
一基ではただの機械になり果てる(それがアルファ)
巨神界の”アルヴィース”はクラウスの後悔の念から生まれた存在
このようにかなりの事実が明らかとなった。これはシリーズ中で一度も掘り下げられなかった設定である。これほど多量の設定を一作でまとめて明らかにしているところからも、シリーズの終着点であるこのタイミングで謎や曖昧さを徹底的に補完する姿勢が感じられる。
いちユーザーとして本作が出るまでは「アルヴィース=ウーシア=3体目の天の聖杯、シュルクのブレイドなのではないか」程度の考察が精いっぱいであった(本作で新たに出た設定も後付けと言ってしまえばそれまでだが)。
他にもエヌによるシティー襲撃の実態、アルファが見せた相転移実験前のクラウスの世界(Xenobladeシリーズが始まる前の世界)など、今まで見れそうで見れなかった光景を見せてくれたところも好印象だ。
さらっと子孫明かし
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キャラクタービジュアル公開時からカギロイ、ニコルと過去作キャラの外見的特徴を強く引き継ぐキャラが登場していたが、キズナビューの会話にてマジで子孫であるということが発覚した。
レックス
「前に話してたシュルクの師匠(ダンバン)か 俺も会ってみたかったもんだぜ」
「……んん? 師匠じゃなくて義理の兄だったか?」
シュルク
「えっ いや……!それはまあ そうなんだけど……」
シュルク
「ここにいつも料理を持ってきてくれた 幼馴染のおかげさ」
「彼女がずっと支えてくれたから 僕はこうしてここにいる……」
「……そして 君(ニコル)も」
英雄二人の成長した姿を見れてうれし~~~~~と浮足立っていたところにこの爆弾投下である。こんな大事なことを景色を見ながらしれっと言うな。
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そしてサブキャラであるパナセアとリンカ。外見からみるに恐らくパナセアはカルナ、リンカはサイカの子だろうか。いやだからサブキャラでそんなにしれっと子孫を出してくるな。
あまりにも何の気なくぬるっと子孫描写が飛び出してくるのでむちゃくちゃ驚いた。もうちょっと
「じゃ~~~~~ん!!!なんとニコルはシュルクとフィオルンの子でした!!!(ドドン)」
みたいに大々的に打ち出してくれてもよかったのに…
何はともあれ両作とも世界が再生された後みんな幸せを掴んでいたことがこういった形で描写されたのは嬉しい。
大人シュルクとレックス
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本作最大の魅力(と勝手に思っている)、大人になったシュルクとレックス。
だがそもそも1と2で世界を救った彼らが本作でまた世界の危機に立ち向かうことになってしまうのは悲しいところではあった。ハッピーエンドの続きを書いてほしくないタイプのオタクなので。
しかしそれらを差し置いても、年長者らしくマシューたちを導くその姿が非常に感慨深く、「歳を取ったせいでつい地に足ついた考え方をしてしまう…」と嘆く場面もあれば「誰かに思いを託せばいい」と曲がらない芯の強さを見せてくれたりと、シリーズを全て通ってきたユーザーへの濃密なファンサービスであった。
つまるところ
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本作はXenoblade3の前日譚を丁寧に描写する作品であると同時に、Xenobladeシリーズ最後の作品として今までの不明瞭な要素を片っ端から補完する作品でもあった。
正直本作でこれほど多くの謎が明らかにされるとは思っておらず、またこれほどのボリュームだとも思っていなかった。
イーラの時も「これもうDLCじゃなくて単品ゲームじゃん…」だったが、本作はそれ以上。普通に7000円くらい取れるゲーム内容なのに本編のおまけで2500円とはこれいかに。
つながる未来、黄金の国イーラと比較しても段違いのボリュームでありつつ、1と2を磨いた3から更に洗練された戦闘システムによりもっと遊びやすく仕上がったXenobladeだ。
ユーザーへのファンサービスと緻密なストーリー補完が重なる最高の”エンディング”だったと言えるだろう。スタッフロールでは「ああ…これで本当にXenobladeが終わったんだ…」と凄まじい余韻に襲われた。
色々思い出して久々にうるっと来た。
おまけ1:XenobladeXと繋がる?のか?
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個人的に本作で最も気になったポイント。作中でアルファが見せたクラウスの世界にて流れるラジオで”地球種汎移民計画”という単語が出てくる。
これはXenobladeXにて謎の勢力によって襲われた地球人が外宇宙の居住可能な未知の惑星を超長期に渡って捜索し、移住を試みる計画のことだ。
クロス本編内では「白鯨」と呼ばれる宇宙船が、作中舞台である「惑星ミラ」に辿り着いたが、この単語が出てくるということはクロスもクラウスの世界から派生したものかもしれない…という可能性が出始める。
クリア後のムービーでもアイオニオンから2つの世界に分かれた後に1つの惑星が映り、そこに小さな青い光が落ちてきている。
クロス本編にて白鯨がミラに不時着したのを見るに、この星がミラで光は白鯨なのか、もしくはこれが未知の惑星で、異なる移民船が辿り着くのか…など考えるほど色々浮かんできてワケが分からなくなってくる。
しかし仮にクラウス世界からクロスへ繋がるとなると「白鯨は相転移実験の影響を受けないほど遠い惑星に行けたということなのか、それとも相転移実験の影響は宇宙規模ではない?」などの謎が現れる。
この辺に関してはまだ妄想の域を出ず、クロスと繋がっていくのか、それともクロス2なのか、マジで何もないのか、はたまた4なのか…など考えうる線はいくつもある状態だ。
Xenobladeシリーズはここを終着点とするか、それとも続いていくのか…本作の余韻と同時に、この期待はまだ冷めそうにない。
おまけ2:英雄が”ヒーロー”になった!
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本作をクリアすることで本編チャレンジバトルに新バトルが追加される。それをクリアすることでなんとシュルクとレックスがヒーローとして一度に加入する。何回サプライズぶつけてくるんだよこのゲームは!
残念ながらクラス習得はできないが、シュルクは徹底した防御力、レックスは異常な攻撃力(アクセ込みで1700台に乗る)を持っている。
特にレックスは素の火力の高さもあってチェインアタックのダメージ更新に貢献できそうなポテンシャルを秘めている。今回でついに3000万ダメージの大台を乗り越えられるだろうか…
ラスボス戦が長引いて朝までやらされるハメになり、あまりの情報量に脳がパンクして文章構成が危うくなるなどしたが、なんとか書き起こせた…と思う。