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人生の転機ってなんだろう

『突然ですが占ってもいいですか?』というバラエティ番組で、タレントさんたちの転機を占い師さんが言い当てていた。

私は基本占いを信じないタイプだが、転機となる出来事や時期をドンピシャで当てられたら、この人は本物だ、と思うかもしれない。そこで考えてみた。

私の人生の転機ってなんだろう。

25歳ということもあり、人生の諸先輩方にとってはちっぽけなことかもしれないが、思い浮かんだのは2つだ。

18歳 大学受験の失敗

1度目の転機は18歳。大学受験で失敗をしたことだ。

私は何事もそつなくこなせてしまうタイプで、それまで挫折という挫折を味わったことが一度もなかった。大学受験での失敗は、初めて目標に届かなかった、初めて周りの期待に応えられなかった、私にとって初めての挫折経験だった。

失敗したことがないから、誰よりも失敗が怖かったんだと思う。

国公立大学の二次試験の前夜、大学近くのホテルまで母に送ってもらい、1人で一泊する予定だった。母が帰る直前、突然タガが外れたように大号泣した。

高校3年間のほとんどを受験勉強に費やしたのに、失敗したらすべて無駄になっちゃうのかな。不安だった。

不合格を知ったときも、悔しさやら申し訳なさやらで涙が止まらなかった。国公立志望のクラスメイトは全員、第一志望に合格していた。私だけ、落ちた。

しかし、自分が思っていた以上に早く、次の感情が生まれていた。

「人生、おもしろくなってきたな」

これまで失敗がなかった分、事前に想定した通りの人生を歩んできたところがあった。失敗したことで、新しいことが始まる、という直感があった。

私は、イメージ通り、自分にふさわしい、そんな枠組みに囚われて人生の選択をしてきた自分に気づいていて、そのことに違和感を感じていたのかもしれない。心の底から、これからの人生にワクワクした。

一度大きな挫折を経験しても、やっぱりまだ失敗は怖い。できるなら失敗したくない。

でも、失敗したらそれはそれで面白い。そこからどれだけ挽回できるか、うまくいっていた場合よりもっと面白い人生にしてやろう、1年前の自分が想像もしていなかったような形で結果を出してやろう。そう思えるようになった。

24歳 セクシュアリティの自覚

2度目の転機は24歳。自分のセクシュアリティを自覚したことだ。

きっかけは大学時代の友人との長電話だった。

大学生の頃から、しょうもない話題でボケたりツッコんだりする関係性ながら、悩みや最近考えていることなど、真剣に話し込むこともあった。話しているうちにどんどんテーマが深掘りされて、ぼんやりしていた自分の考え方がくっきりしていく。友人の中で1番勉強熱心で知識も豊富で、自分を高めてくれる存在だ。

彼女と電話をしていたとき、恋愛の話になった。出会って6年以上、私の方からは一度も誰かを好きとか付き合っているとかの話が出ていないということもあり、こんな質問をされた。

「女の子が好きなん?」

実はこの質問、これまでに4~5回はされたことがあった。女子同士の恋バナにも参加してきたし、抽象的には自分の話もしてきたつもりだったが、どこか引っかかるところがあるのか、属するさまざまなコミュニティーでこの質問をされてきたのだ。

慣れっこな質問なので、返答も確立されつつあった。

「女の子を好きになったことはないけど、男の子を好きになったこともないから、絶対ないとは言えやんわ」

このあと返ってきた言葉が、私の転機となる。

「誰も好きになったことないんかぁ。無性愛者とかもあるしな。」

一回調べてみたら?と言われた。初めて聞いた言葉だったが、ネット検索したり本を読んだりしてみて確信した。私、それだ。

セクシュアリティを自覚して1年。特に変化はなく、これまでと変わらない日常を過ごしている。ただ、将来どんなふうに生活したいか、何歳で何を手に入れたいか、そのビジョンは確実に変わってきた。”本当に私がやりたかったこと”を見つけたい、大切にしたいという気持ちが強くなった。

恋愛が当たり前である必要はない。恋愛を前提にした人生設計はやめよう。

そして、これから

転機って、その瞬間や渦中にいるうちは転機になるとは考えてもいない出来事だったりする。すぐ上昇に直結することもあれば、どん底から抜け出すのに年単位で時間がかかることもある。振り返ったとき、必ずしも「良かった」言えることばかりではないだろう。

小さい頃や学生時代に思い描いた人生とは、全然違う人生になっていくかもしれない。でも、それを丸ごと楽しめる大人になっていきたい。

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