花粉症
花粉症の季節になりました。
私が小学生の頃は花粉症というのは原因不明の病気の
扱いでこれといった治療法もなく「不治の病」の感じ方を
していました。
その頃、隣に高校生のお姉さんが住んでいて、
お姉さんには兄弟がいないこともあり、
私や妹を可愛がってくれました。
家に呼んでは、その頃では非常に珍しいジューサーで絞った
「バナナジュース」甘くておいしかった。
焼きたてのクッキーも、ここでよくごちそうになりました。
かっぱえびせんか?水あめせんべいを食べていた私には
洋物は心を奪われました。
銭湯に行くときや母親に買い物を頼まれた時にも
お姉さんを連れ出しては近所のガキどもに
「どうだ~」と言わんばかりに自慢した。
そんなお姉さんが雪が解けて春から夏の熱くなる前だけは
殆ど出かけなかったのです。
どうしても外出時は深い帽子に眼鏡にマスク。
それは季節を追うごとに出かけない日が多くなったように感じて
それからは家に遊びに行くことが多かった。
「ねえ?お姉さん、外出れないの?」「風邪ひいてるの?」
・・・・・・・・・
「お姉さん、花粉症という治らない病気なんだ~」
「花粉症は薬がないんだって、お花や、木の芽が出るころにま目の周りが貼れて、体も少しだけ重くて怠くなるんだ」
「なんとなく気分も憂鬱で」
「近所のおばさんが言っていたのを聞こえたんだけどね、
私みたいな女は結婚できないんだって」
「お花大好きなのにね」
私の子供の頭では言葉がなかったように思える。
「太郎、大きくなったら私と結婚してくれる?」
「うん、いいよ!お嫁さんにしてあげる」
彼女のその後は分かりえないが、この時期時折思いだす。
上村一夫の劇画にも同じ様なストーリーがあったことも思い出す。
久しぶりに
買ってこようかな。
私も杉は大丈夫だけど白樺は酷い目にあう。
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