#4-4 一人一人の変容を見取っていきたい:【教員インタビュー:大野沙絵子先生 #4】
みなさんこんにちは。リフレクションメソッドラボラトリー事務局です。リフレクションメソッドラボラトリー(以下RML)では「MAWARUリフレクション」というプロジェクトを行っています。
MAWARUリフレクションは、「リフレクションによる個人の気づきが周囲に循環し、社会を変える」をテーマに、教育にリフレクションを取り入れる活動を2016年から続けているプロジェクトです。(プロジェクトHPがありますのでぜひご覧ください。)
本記事では、MAWARUリフレクションで新しく始めた「教員インタビュー」の記事をお届けします。教育現場で、先生がどのようなことを考えているのか、とても面白い内容になっていると思いますので、ぜひご一読ください。
第4回の先生は、兵庫県で小学校教諭をされている大野沙絵子さんのインタビューです!いつものようにPodcastも用意していますので、ラジオ代わりにもぜひ聴いてみてくださいね。
今後どんなことをしていきたいですか?
リフレクションにおいては、たくさんの手法があると思います。それは、子供達にとっても同じで、最適な手段がそれぞれにあると思います。ですので、子供達にとってフィットした手段になるよう、教室では多様なチャレンジをしていきたいと思っています。
また、これからの目標としては、全体としてよりも個人がどれだけ変容したかについて、追求していきたいと思っています。
現在は、子供達の発言や言動の記録をとって振り返りながら日々実践をしています。子供達は、それぞれの思考を自分の中で育てながらゴールに向かって学んでいると思いますので、その思考を見取ることができると、教師の中でいろんな支援を生み出すことができると思います。一人一人の姿を丁寧に追っていきたいです。
生井:子供の変容ということにフォーカスして、きめ細かく見取っていることが伝わり、感銘を受けました。
記録を通して一人一人の変容を見取ること
山下:大野先生から個人の変容を追っていきたいとのお話がありました。その中で、記録をとっているとありましたが、どのように記録をとっているのかもう少し詳しくお話をお聞きしたいです。
実は今、大学院に通われてp4cを研究されている先生が記録に協力してくださっていて、記録を抽出してもらう中で、子供達の思考の流れがどのようになっているかを一緒に研究しています。記録を通して一人一人の思考を辿りながら、新たな手立てを考えるのはとてもわくわくする時間です。
また、これまでもビデオを撮って、子供たちの発言だけでなく、表情や反応なども後で客観的に振り返るようにしていました。
山下:全て撮っているということでしょうか?
振り返りの場面だけでなく、学習の一時間をまるごと記録することが多いです。今回は、算数の割り算の単元全体を通して、その先生と一緒に研究をすることができました。その子の表情や反応等、できるだけ多くの材料をヒントに、思考を引き出していけたらと思っています。
また、写真もかなり撮っています。後で写真を見てみると、ねらっていた姿以外にも、子供達の様々な表情に出会うことがあります。この場面のこの瞬間は、この子は、こんな表情をしていたんだなとか、ちょっと眠そうな顔をしているなとか…後で振り返り、明日はこうしてみようと意識を変える材料になります。
自分の目だけでは多くの姿を同時に捉えきれず、偏ってしまうので、視野を広げて捉えることは大事だなと思っています。
生井:記録は、1日ですか?
今回、先生と一緒に取り組んだのは算数の授業です。ただ、常日頃から、写真をとることは私も好きですし、子供達も写真を見たり撮ったりすることを楽しんでいます。
とりためた写真を見ながら学習や成長を振り返ると、思考の輪郭がはっきりしてくると思います。また、お互いの姿を仲間と客観的に見つめて認め合うことでみんなが笑顔になるので、子供達の根底にはやはり「見てほしい・受け止めてほしい」という思いがあるのだなぁと感じます。
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大野先生の記事はここまでです。4回に渡る、大野先生が考えるリフレクション、そしてその実践はいかがでしたでしょうか。本記事が、皆様のリフレクションへの興味、理解、実践につながるととても嬉しいです!
今後はまた新しい先生のインタビューが始まります。次のインタビュー記事もお楽しみに!
【大野先生インタビューの記事】
# 4 -1 大野先生インタビュー1
# 4 -2 大野先生インタビュー2
# 4 -3 大野先生インタビュー3
# 4 -4 大野先生インタビュー4(本記事)
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