勝ちと価値を定義すること
なぜこのnoteを書くのか
今回は激しく抽象的な内容になる。
最近は独立し、友人何人かと一緒に自分の事業を作っている。
基本的に楽しくやっているのだが、一点悩むところがある。
それは「何が価値であり、何が勝ちなのか」を定義することである。
もちろん現在暫定の解はあれど、やはりヒアリングや開発を進めていくにつれ、違うものが見えてきてしまうものだ。
また、僕自身素人ながら、3社ほどではあるが、未上場企業にエンジェル投資をしたりしている。(とはいえ自分はイグジット経験があるわけではないので、基本的に自分の貯金や、アコムで金借りて全額突っ込む、みたいなやり方なのだが)
その際、特にシリーズA前後まではこの質問は一定のリトマス紙として機能していると感じている。(実際、投資先の1社の株式会社GraciaはシリーズB、他の2社はステルスだがシリーズAを突破している。)
プロの経営者、投資家の方であれば当たり前のことを書いているかもしれないが、自身の考えの整理も含め、一度記すことにした。
何が価値で勝ちかの例
そもそも勝ち、価値なのかという点について。
激しく抽象的だが、要は「どういう状態を作ればあなたの事業は価値があり、勝てるのですか?」ということに答えることだ。(激しくトートロジー感あるが)
例えばECプラットフォームやメディアは定義しやすい。
ECプラットフォームでは間違いなく扱う商品、メディアでは記事の数と質が、勝ちと価値の要員の一つとして真っ先に挙げられるだろう。
あるいはそれらのコンテンツとユーザーを紐付けるレコメンデーションアルゴリズム。スマートニュースはグノシーなど、自らがコンテンツを量産する必要があまりないプロダクトであればここに価値が移る。
ただ、このコンテンツも質、量にある程度アッパーあるのが注意点。
どの質のコンテンツをどの量まで、どれくらいコストかけてやるか、というのは業界、分野によって違いうるのでここを見極める必要がある。
インフルエンサーを用いたBtoCであれば、間違いなく使ってくださるBの質だろう。極論質のいいBがボリボリ自発的に使ってくれるのであれば、C側が多少使い難くてもサービスは成長する。結果として施策はB向け、もっと優先すべきはBとCを両方貫くような施策となる。
逆にやや難しいのがUGC型やIPモノ。
UGCであれば、まぁ投稿してくれるユーザーの数と投稿コンテンツの質と量ではあるが、必ずしもマネタイズに結びつくかと言われれば難しい。
また、質と量を必ずしも事業者側から操作仕切れるモノでもない。
バーティカルなUGCメディアであれば純広告と結び付けたいところだが、これも必ずしも一致しないと後からわかるパターンもある。
もちろんこれは事業として悪いというわけではなく、単純に難易度、もっと言えば自分が得意でないというだけである。この領域をマネタイズも含め立ち上げれるプレーヤーの方はたくさんおり、僕自身はリスペクトしている。
IPモノ(VTuberやYoutubeチャンネルなど)は、必ずしも動画の再生数の最大化が価値と勝ちとも言い難い。海外展開、リアルへの進出、テレビ進出、ゲームやアニメといろいろあるが、それらの価値と勝ちを定量化することからまず難しい。
これらを定義すると何がいいのか
この辺りのことを書くと何を当たり前と言われるが、以外とここを明確にできている事業者は少ない。
肌感覚、シリーズA以前であればここを明確に答えている事業者は10%にも満たない気がしている。
自分が投資する際にも、この質問は必ず聞くようにしているし、この点を明確に答えている方には基本投資させていただけるようお願いしている(とはいえ必ずしも成約するわけはないのだが。)
自分が事業を行う際も、以前はなかなかこの辺りが苦手だったのだが、最近は割りかし一定の答えはすぐに出せるようになってきた。
もちろんフェーズによって違うとか、ここを明確に決めなくても伸びることはできるよね、という論はあれど、明確に答えられるに越したことはないだろう。
ジュニアなPMやデザイナー、プランナーやプロデューサ、あるいはシリーズA以前の経営者の方などは、今一度この辺りを考えてみると良いかもしれない。
この考え方のデメリット
一つあげるとするならば、世の中にはこの価値と勝ちを明確に定義し難いが、しかし成長してしまう事業が一定数存在することだ。
ZenlyやSnapchatは何が価値と勝ちですかと言われればなんとも形容し難いが、しかし客観的に見れば明らかに価値と勝ちは存在する事業ではあると思う。
また、自分がやりたいと思う事業、投資したい事業も結局これが明確に答えやすい事業になってしまう。
自分がやろうとしている領域はD2CとエンタメBtoC、投資している領域もECが2社とエンタメ系BtoCだ。
その結果投資機会や事業機会を逃してしまったパターンは自分の中でも一定ある。こういったパターンは別のアセスメント基準が必要となるだろう。
最後に
かなり素人ながら、こういう考え方で事業を見ている。
いうても全くの素人なので、何かあれば忌憚なくコメントなどをいただけると有難い。