「インデアンカレーの祝福」チートデー旅行記①〜帯広編〜
「よし！ お前の帰省、送り迎えしてやる！」
7月上旬、受話器の向こうの友人・バツ丸（仮名）に向かって、僕は言った。
バツ丸は、長いこと帯広に住んでいるが、地元は岩見沢である。北海道外の人にわかるように説明すると、帯広から岩見沢まで約170km、だいたい横浜-静岡間と同じ距離になる。ちなみに、どちらも高速道路利用で2時間半～3時間くらいかかる。
僕の提案に「いや俺はいいけどアルロンが大変じゃね？」と至極真っ当な意見を述べるバツ丸。しかし、彼の帰省がお盆時期ということもあり、公共交通機関の予約は1か月前まで（しかも抽選）とのことだった。
それならばと、親愛なる友のために一肌でも二肌でも脱ぐのが、アルロンという男である。いや、漢である。
元々運転は好きだし、3～5時間程度の長距離運転には慣れているので、なんら問題はない。
そして、絶賛食生活改善中のアルロンにとって、此度の旅行は好きなものを好きなだけ（お金の許す限り）食べられるまたとない機会となった。「旅行中は全日程チートデー」という謎理論を掲げ、自由奔放に飲み食い遊んだ。
本旅行記は、その食い道楽な4泊5日を記録したものである。
【1日目 旭川→帯広】
そもそもの話、僕が今住んでいるのは旭川。つまり、バツ丸を乗せるため、まず自分が帯広に行かなければならない。
旭川-帯広間がどれくらいの距離かというと、はい、そうですね、約170kmですね。
1日目は僕の移動日。というわけで、夜は帯広に泊まることになる。
まあ、僕は帯広まで髪を切りに行っているので、
散髪
バツ丸ともう一人の友人とご飯＆駄弁る
バツ丸宅で一泊
という流れが年に3回くらいあり、ほぼ固定化している。
そのため、3時間のドライブなど恐るるに足らずなのである。
バビューン！🚙
朝9時前に出発し、正午には帯広に到着した。
ふう、お腹が空いたな。昼食にしよう。
帯広に来たならば、やっぱインデアンに行かないと。
大学時代にバイトしていたインデアン。十勝に住む人々の胃袋を鷲掴みにし続けているインデアン。インデアン通（？）には、略して「デアン」と呼ばれるインデアン。
帯広に来てインデアンのカレーを食べないなんて、デアンの神に対する冒涜と言っても過言ではない。デアン教の宣教師であるアルロンシスコ・ザビエルとしては、是が非でもデアンの祝福を受けなければ。
というわけで、通り道にあるいつもの店舗へ向かった。
世間ではお盆休み初日ということもあり、それなりに、いやけっこう混雑している。
店に入ると、店員のおねーさんに「こちらでお待ちください」と案内される。そこには、デアンに魅せられた老若男女が10人ほど、デアンの魔力を鼻に感じながら列をなしていた。回転の速いデアンとはいえ、休日の正午ともなれば無限の行列ができる。
結果、20分ほど列に並び、席に通されてからはものの3分ほどで注文したカレーがやってきた。どんなに混雑していても、すぐに提供されるのがデアンの魅力の一つである。
今回注文したのは、インデアンハンバーグチキンチーズ中辛。
インデアンには、
インデアンルー
ベーシックルー
野菜ルー
という3種類のルーがある。
ルーをミックスする上級者もいるが、僕はいつものインデアンルー中辛を注文。結局、カレーは中辛が一番美味いのよ。
これにお好みでトッピングをするのだが、今回は奮発して3トッピングにした（前述したもののほかに、カツやエビなどもある）。
大学の後輩で、インデアンカツカツチーズチーズチーズ大盛極辛という呪文のような注文をする奴がいたが、あいつは元気にしているんだろうか。
まあいい。とにかく今はこの祝福の昼餐を堪能するとしよう。
ぱく。
うんまあああああ！！！！！
これこれこれこれぇぇぇ！！！ これだよこれ！
安定のインデアンルーは、やはり美味。美＆味。ジューシーなハンバーグと食べ応えのあるチキン、まろやかさを演出するチーズの甘みが合わさり、白いご飯とともに次々と胃の中へダイブしていく。個人的に、この5つの食材のマリアージュは最高でしかない。ほぼゴレンジャーだ。
半分ほど食べたら、ホットオイルと呼ばれる備え付けの辛味増強液を軽く垂らし、味変を楽しむ。カレーの味を壊さない程度に辛くしてくれる、合法的な油だ。ちょっとかけすぎた感があったが、それでも最後まで美味しくいただけるのがデアンの懐の深さを物語っている。
そして、食べ終わったら即行で退席する。デアンでは、食後の賢者タイムはご法度。さっさと食べて、さっさと出る。これが、デアンの暗黙ルールなのだ。
デアン後も帯広グルメを堪能しまくったわけだが、長くなりそうなので分割してお送りさせていただく。
（続く）
【参考記事】
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