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季節のお話ー秋のお彼岸ー

あたかも夏の線香花火のような彼岸花が、気がつけばそこら中に咲いていた。
満開とも言えるほどで、赤い絨毯があるようだった。
不思議とお彼岸の日には、毎年必ず咲いていた。
季節外れの異常気象が多々発生する中、花は季節を読んで咲いたのだろうか?
それとも、人の心を読んでくれたのだろうか?
白や黄色や淡いピンク色の菊の花に、青空と同じ色のスターチスをお供えの花束にして、私は彼岸花が並ぶ道を真っ直ぐに歩き、お墓へ向かった。


そういえば、あの時もよく晴れてたなぁ、とか


あの時あの人は、いつもこうしてたなぁ、とか


紅い彼岸花が、懐かしい日々を静かに想い起こさせているようだった。
その時ばかりは、どんなに季節が変わっても、不思議と同じ時を繰り返しているように感じた。

懐かしさが心地良い、今日は秋分の日。

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