ある日の日記 ーがらんどうー

いつか行こう、行こうと
思っていた店が閉まっていた

「貸店舗」の張り紙

秋の日差しは 
とろとろと のろのろと
腹立たしいほど暢気でいて

着物を着た若い男女が
なにかを囁き合った
(と、思う
 口は覆われているので定かではない)

当分の間 あそこは
がらんどうのままなのだろう

指の傷にアルコールが きりきりと沁みた

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