あちらへのパス【5】連作小説

 努力は裏切らない、


 サッカーボールを手放した1日。
 自分の人生にはサッカーしかなかったのではないかと気づく。
 家に着いた俺はそのまま自分の部屋に入った。
 いつもと変わらないはずがいつもと違うような感覚に襲われる。俺はいつもは何をしていたっけ、
 日常の中にサッカーが溢れていた。
 やるゲームはサッカーゲームで、見る動画はサッカー関連のこと暇があればサッカーボールで遊んでいることの方が圧倒的に多かった。
 そんないつもをすることに何となくの躊躇を覚えていた。
 こんなとき何をしたらいいか分からなくて友達のシュウにLINEで連絡した。
 なんか面白い動画とかない?
 返信は以外とすぐに返ってきた。
 めずらし
 そんなふうに返された後
 シュウの好きなアニメの話をされた。今やってるからアツいとか何とか、
 話された後、とりあえず見てみると返信してサブスクに登録されているそのアニメを見てみた、そのアニメは普通に面白かった。4話くらい見たら母親から夕飯の準備が出来たと伝えられてその後に風呂に入ってその日はすぐに寝た。
 次の日
 普通に起きて顔を洗ってご飯を食べて歯を磨いて普通に学校に行った。
 途中でシュウにあって昨日のアニメの感想を求められて意外と面白いと言ったら、
 そうだろ!でもまだまだ面白いところがあってアニメでいったら8話目からの展開が熱くてそこまで見たら絶対リアタイした方がいいとか何とかかんとか
 シュウがここまでアニメに熱中しているとは知らなかった。
 新しい発見だと思ったし、自分が人に対してのサッカー以外の興味の無さが浮き彫りになった瞬間でもあった。
 その日はシュウの他に見た方がアニメの話を受け流しながら学校の時間は終わった。
 今日は部活の練習があったのでシュウと一緒に部活をやった。正直いうと集団で練習するのはあまり好きではない。1人でやった方が効率的と思うことが多いからである。でも部活の奴らのダッシュやら何やらをやって18時をすぎたあたりで部活は終わった。
 いつもの運動場に行こうと思うがハルトが来てなかったら意味がなくなるなぁ
 と思いながら俺は一応向かって行った。

 運動場にはハルトがいた。
 1人でリフティングの練習をしていた。
 ずいぶんと様になっているようだ。


 前回の話はこちら

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