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映画『ファーストキス 1ST KISS』感想文
新作を心待ちにできる作家さんや監督さん、俳優さんがいると、この時代に生きてる歓び……!という気持ちになるものですが、
『ファーストキス 1ST KISS』も制作の話を聞いてから本当に楽しみにしていました。
脚本:坂元裕二、監督:塚本あゆ子、主演:松たか子、松村北斗。
こんなに心躍る座組がありますか……!
こちとら、四月物語の時から俳優松たか子のファンなので!(急なたか子マウント)
坂元さんの脚本も大好きだし、特に松さんとのコンビ(カルテット、大豆田とわ子と三人の元夫)のドラマは大好きで何周もしているし、
塚原監督も私の幸せな結婚も大好きだし、ラストマイルもアンナチュラルも海に眠るダイヤモンドも大好き!
なので期待のあまりほとんど前情報を入れずに初日の初回に見に行ったんですが。
もう、もうもう、ドストライクでやばかった。
大、大、大号泣。体中の水分が全部涙で出て行ったかと思った。
恋愛や結婚において、
あなたが生きていてこそ、というのと、
あなたが生きていなくちゃ生きてる意味がない、
という相反する2つの命題に坂元裕二と塚原あゆ子が取り組んでひとつの答えを出してみましたが、どうですか?という映画でした。
ちょっと自分語りになりますが、私と夫は結婚して20年になるんですが子供がいなくて、なので夫が亡くなったら私が死亡届書くんだなあ、お葬式出すんだなあ、そしてこんな事が大変やったよ、こんな事があってさ、1人で大変やってんから!って一番聞いて欲しい人はもういないんだなあと思う事があるんですが。
そういう夫婦の切なさ、それでも(それだから)ほんとうにいろいろあるけど、毎日楽しく生きていかなくちゃいけないってまたさらに身に沁みたというか、ああやっぱりそうやんなって気持ちになった。
とにかく松たか子さんの演技が最高でした。
やっぱり俺たちのたか子は最高。
松村北斗くんも、これはもう名実ともに名俳優と言っていいのでは?と思った。
松村くんの演技を楽しみにしてるみなさんは、めちゃくちゃ期待してていいと思う!どれだけハードル上げても大丈夫。
音楽もめっちゃいい!と思ってたら岩崎太整さんで膝を打ったし、
相変わらず物語に寄り添って優しい画を撮る塚原さんの作品だなあって思ったし、すごく切ないけど幸せな映画だった。
でも、ものすっごく濃ゆい坂元裕二ワールドなので、そもそも坂元さんの世界観が苦手な人は厳しいかもと思った……。
あと、設定とか、え?それだったらこうならない?とか思っちゃう人もしんどいかも……辻褄合わせの映画じゃないし、主題はそこじゃないので。
でもファンタジーとリアリティをうまく擦り合わせるの、塚原監督の真骨頂だったなあ!
なので、最後はちゃんと着地するのでいったん物語に身を任せてほしいなって思います。
最後まで全然先が読めなくてドキドキした。
ちょっとこれは人生の1本に出会ってしまった気がする。
もう一回、じっくり観たい。