長野で日本酒づくり体験②
二泊三日で長野で日本酒づくりのプログラムに参加してきました。
初日の様子はこちらに書いています。
酒蔵の朝は早い。そうです、前夜どれだけお酒を飲んでいようと、蔵人仕事の開始は8時。7時には全員で朝ご飯をいただきます。
酒蔵に入る前に
東京ではもうすぐ桜が咲くという時期にもかかわらず、この日の佐久のお天気は雪。
そんな雪のなか、神社から神主さんが来られて、酒蔵に入る前の神事が行われます。
お正月ぐらいしか神社に行かない私ですが、神主さんのお祓いを受けて、お酒をいただいて、なんだかキリっと引き締まった気持ちになりました。
神主さん、英語が非常にお上手。日本語と英語で神事についてご自分で説明されます。「すごいな~」と思っていたら、英語の先生だそうです。なるほど。
いざ酒蔵へ
今回の蔵人体験のメインは「酛(もと)たて」(酒母づくり)です。
まずは蔵についてタイラー社長から説明があります。
そのあとで実際にお米を蒸している様子や酒母づくりの現場を見ながら、作業の説明を受けます。
日本酒のつくり方の大まかな流れはこちらです↓
作業はいろいろあります。
明日、私たちが蒸すお米を準備するため、お米を運んだり、洗ったり。
実際の酒づくりの流れに沿っての作業は時間的に無理なので、行ったり来たりはしています。
また、杜氏さんが酒母に乳酸を入れたあとの櫂入れ(かき混ぜ)や温度を測る作業も。
あっちへ行ったりこっちへ行ったり、結構な重労働。酒蔵の気温は外気とほぼ同じなので、冷え冷えしています。
私たちは単に体験しただけでしたが、毎日この作業をされている本物の蔵人さんや杜氏さんはすごいですね。
タイラー社長のセミナー
作業の空き時間には利き酒セミナーが開催されます。
大吟醸、純米、本醸造など三種類のお酒を飲みくらべ、利き酒のポイントなどを教えてもらいます。
面白かったのは、味の印象が人によってかなり分かれたこと。香港、日本、関係ないようです。
タイラー社長は「印象が分かれるのはそれでいいんです。味は人によって違いますから」
「このお酒はこういう味」と基準があって、それに当てはまらないとダメなのでは?と思っていた私はホッとしました。
どのお酒に対しても他の人と印象がことごとく違っていたので心配でしたから。
お酒を好きに楽しんでいいんだよ、と太鼓判を押してもらったような気持ちです。
タイラー社長の橘倉酒造
懇親会からご一緒して気安く喋らせてもらっていましたが、タイラー社長の橘倉(きつくら)酒造は
文献で確認できるだけでも(つまりもっと昔から酒蔵は存在していたと思われる)創業が1696年。
屋号の「橘倉」の橘は平安時代の橘氏に由来するとのこと。歴史の教科書で見たことのある名前。
想像もつかないほど由緒正しいお家柄です。
お喋り上手で、WBCでワクワクしている「もと野球少年」という印象が強かったのですが、タイラー社長はなんと第19代当主。
この蔵人体験、そんな由緒ある酒蔵の当主が(そして、作業のお世話係として杜氏さんも)作業中つきっきりで説明してくださるという、貴重なプログラムです。
手や足を動かしてみることで、これまで知識として知っていた酒づくりの作業や流れが次第に頭の中で結びつきクリアになってきた気がします。
面白い。
明日はいよいよ麹づくり。楽しみです。
(つづく)
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