大切を空にあずけて

嬉しい帰り道、そこまで
切ない帰り道、そこまで

迎えに行くから、君の心を

人混みの中、人混みに紛れず
透明になって、すり抜けて

分かち合いたい時、すぐそこに
逃げ出したい時、すぐそこに

飛んで行くから、君の心まで

顔と顔近づけて、ふたりのひとつを
背中と背中近づけて、ひとりのふたつを

約束なんて、笑って出来やしない
守るなんて、意味を知るはずもなく

君の足りないものを
僕が持っている訳じゃなくて

君の足りないものを
僕が探すふりをするだけで

僕の足りないものを
君がくれる訳じゃなくて

僕の足りないものを
君が探さないふりをするだけで

僕たちは
目の前にある「足りない」に
見えないふりをして

ずっと近くにいられると、知ったから

見えないふりをして

いちばん近くにいようと

同じ空に、知ったから