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映画「ミッドサマー」感想と考察

こんばんは。活動報告のお時間です。

今回は我々は新歓企画の一環で映画鑑賞会を行い、「ミッドサマー」を鑑賞しました!多くの新入生の方に来ていただき、非常に盛り上がりました!今回は「ミッドサマー」を観た感想とか考察を書いていきたいと思います。

注意※この記事には映画「ミッドサマー」の多大なるネタバレが含まれます。ご注意ください。


第一印象

まず単純な感想としては、めっちゃおもしろかった!

途中から見られなくなって目を背けていた人も結構いたのですが、僕はストーリーが進むにつれて前のめりになって観てしまいました!
ただもう一回見るにはしばらく期間を開けたいですね。。。
けっこう長尺ですが見るべき映画の一つだと思います。


具体的な感想

この映画は「ホラー映画」といわれていますが、ほかのホラー映画と比べて、表現する恐怖の対象が全く異質で非常に興味を持ちました。

よくあるホラー映画というものは、恐怖の対象が、恐ろしい殺人鬼や、亡霊、モンスターなど明確な敵意を持っており手が付けられない感じで主人公たちに襲いかかってくる物として表現されているように感じます。しかしこの「ミッドサマー」はそれらとも違う、人間の心理をうまく恐怖の表現対象として取り上げた作品だったと思います。

ミッドサマーにはバカデカい刃物を持った殺人鬼も牙をむきだしてとびかかってくる怪物も登場しません。登場するのは理性があり、会話ができる人間だけです。しかしこの理性がある人間というポイントがこの映画で異質の恐怖を演出する大きな助けになっていると思います。

それは「人怖」という言葉で片付けられない人間の恐怖を感じる心理がうまく表現されていました。

何が怖いのか?

会員の一部は見終わった後たいそうしんどそうにしている人も見られましたが、どうも恐怖の理由をうまく言葉にできないようでした。そんなわけで私なりのミッドサマーに恐怖を感じる理由を分析して書いていきます。

・世界観と演出

映画において演出というものは非常に重要な役割を持ちます。もちろん単純にグロテスクで残酷という点も要因の一つとして挙げられるでしょう。しかしそれに加えて村人たちの文化・世界観のリアルさも恐怖を感じる要因の一つでしょう。

この映画の中に登場する村民たちの風習は解像度が非常に高く、まるで本当に存在する様でした。さらにこの村民の文化には性に関する描写が多かったように思われます。世界の歴史を振り返ると、性に関する美術品などは数多く見られます。その点からも村民の文化のリアリティーの基盤を固めていたのだと思います。

また舞台となっているのはスウェーデンの自然が美しい田舎。そしてとにかく多く映るのは青々とした緑と抜けるような晴天の空。のどかな村の風景も草原と花がたくさん植えられており、村人たちの服装も白で統一されています。これにより平和的かつ爽やかな印象を感じられます。そんな極端なまでの平和的、自然的な舞台演出が狂気と相まって逆に暴力的に映るのです。そんな演出とグロテスクな残酷さとが合わさって化学反応を起こし観客に嫌な生々しさと恐怖と嫌悪感を与えるのだと思いました。

・狂気が淡々と遂行される状況

私が思う恐怖を感じる要因のひとつとしてこれが挙げられると思います。目の前で起きた理解不能な出来事が狂気の応酬が続くところが主人公や観客の心に強い不安感を与えているのだと思います。ラスト直前の性交のシーンやそれを目撃したヒロインが村人たちと一緒に集団ヒステリーのように叫びまくるところなど、特にそれが感じられました。演出家の熱意を感じます。またこのシーンは思わず笑っちゃう人と、めっちゃ気持ち悪いと思う人が分かれそうだと思いましたね。僕はちょっと笑っちゃいました。

恐怖の対象が向こうから襲ってくるのではなく、自分が怖いと思うことを後からメッキがはがれるように「発見」していくような感じです。

・少数派になる恐怖・違いという恐怖

舞台となる村では、主人公たちは完全にマイノリティーです。集団の中で少数派になることで集団心理のようなものが作用し、起きている異常事態に対して反抗する意識がかき消されます。単純に少数派になることは不安ですし。

私も幼いころキリスト教の教会に訪れた際、周りの人がしていることが理解できず、それがずっとつづくことにすごく不安を覚えたものです。

・自分たちにとっての異常が”あたりまえ”であるという前提

ここで注意しておかなければならないのは、私たちが異常だとみなし恐怖を感じる村人たちの状況や風習は村人たち本人からしてみれば、なんともない、日常の出来事だという事です。

自分たちにとっての異常であるものが、舞台となる村でもさも当たりまえに行われており、この現地の村人と主人公たちの感覚や文化の齟齬が違和感を刺激し、恐怖を生むと思います。

・「未知」という最恐のもの

ホラー映画の脚本につての本で人間は未知という状態が恐怖の根源にあると書いてありました。人間は知らない、わからないことを特に恐れる習性があるようです。

「ミッドサマー」では村民の文化や風習、狂気は完全に明らかにされることはなく、最後まで理解不能なまま映画は終わります。最後まで未知な状態が保たれているという事ですね。

ちなみにすごく昔のホラー映画「エイリアン」では、人々を襲うエイリアンの姿が最後まで映されきることがありません。映ったとしても触手の先とかシルエットのみだったりします。「ミッドサマー」も未知の状態を意識しているという事ですね。


まとめ

今回はミッドサマーの恐怖を感じる要因をお届けしました。結論としてはミッドサマーはめっちゃ怖くて面白い映画だと思います。ただ、私の映画を見る目がなく、ヒロインの精神疾患が物語にはたしている役割をいまいち理解することが出来ませんでした。

もっと伏線とかそういうものの解説が知りたい方はYouTubeの解説動画やそのコメント欄に発生する考察隊のコメントを見るといいと思います。


閲覧ありがとうございました!(執筆:トーテム)

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