過去に戻る方法を試してみる【タイムリープ】
あなたには「過去に戻りたい」と思った経験があるだろうか。
全盛期の藤原道長が如くよっぽど現状の生活に満足してでもいない限り多くの人が一度はそのようなことを考えたことがあるに違いない。というか、現状に満足している人でも今まで生きてきた中で選択をミスった事が一度も無いなんて人はおそらくいないであろう。となれば、誰しも「もう一度あの頃に戻ってやり直したい」と考えたことはあるものなのではなかろうか。
私はというと、毎秒のように「過去に戻りたい」と考えていた。幼少期の何をしても楽しかった日々に戻りたいのである。私は特に最近、些細なことに喜びを感じることができる能力の衰退ー心のおばさん化を自覚しており、とても危機を感じていた。これより先に過去の楽しかった出来事を超えることは無いのではないのだろうかと妄想して、無気力状態に陥ってしまうのだ。老いていくにしたがって楽しみが無くなっていくような気がして怖くて仕方が無いのである。
「幼少期の心」を取り戻そうとするも…
そこで私は考えた。「せめて心だけでもあの頃に戻ろう」と。些細な事に喜びやトキメキを感じることができる子供の感性をなんとか取り戻したいと思ったのである。そしてそれを達成するため、まず私はNHKの教育番組を観るということをしてみた。久し振りに見た子供向けの番組はとても懐かしく、束の間はあの頃に戻れたような気分に浸ることができていた。しかし画面が暗転した時、そこに映っていたのはニヤニヤと薄気味の悪い笑みを浮かべた現在の自分自身の顔であった。まるでホラーである。その顔と目が合った瞬間、一気に私は現実に押し戻された。何だこの子供番組を見てニヤニヤして子供に戻った気になっているおばさんは。むなしいにも程があるではないか!そしてその現実は再び私を無気力状態に陥れたのであった。
「夢」で過去の自分に戻る
「心」だけ戻ろうとしてもかえって余計にむなしくなってしまうということが分かった。もうそうなったら本当に身も心も過去の自分に戻るしかない。ああ、あの頃に戻りたい。「三回見たら死ぬ絵」を本気で信じてビビり散らかしていた純粋なあの頃に。
なんとか過去に戻れる方法は無いものか…そうして私は「過去に戻る方法」などとインターネットで検索して調べまくった。そしてついにその方法を見つけたのである。
その方法は5ちゃんねるのとあるスレッドに記してあった。内容は大体以下の通り。
1.寝る前に戻りたい過去の事を考える
2.戻りたい過去のリアルな夢を見る(訓練が必要)
3.夢だと気づかないように、夢に集中する
4.夢のなかの自分に意識が移っていく
5.夢の世界が現実となる
と、このような方法なのであるが、もし私の説明が分かりにくいと感じた方がいらっしゃったらぜひソースであるこちらを参照していただきたい。
夢を利用して過去に行くーお金も道具も一切要らない。思ったよりもかなり手軽な方法であったため私は驚いた。しかも5ちゃんねるの体験談を見るに、かなり本当っぽいではないか!(都合の良いことはすぐに信じてしまうタイプ)
まあこれがもし仮に嘘だとしてもお金を払う訳でも時間を無駄にする訳でもないので何も損は無い。これはやるしかない!そう思い立った私は、早速過去の夢を見るため、毎日寝る前に過去の事を考えるようにした。
「過去の夢」を見ることの難しさ
しかしやはり事がそう簡単に上手くいく筈は無かった。第一、思っていたよりも幼少期の記憶が既に失われていた。悲しいかな、人間はどうやら楽しかった記憶よりも嫌な記憶ばかりを覚えてしまうものであるらしく、過去の事を考えても穴があったら入りたくなるような黒歴史など、嫌なことばかりが思い浮かんでしまう。私がこれほどにも戻りたい理想の過去とは一体何なのであろうか。その上、過去の事を寝る前に考えていても、結局関係の無い夢を見てしまうのだ。自分の夢をコントロールすることはとても難しいのだということを思い知らされた。
そして、まあこの記事を書いていることからすでにお察しではあるだろうが、結論から言えば私は現在に至るまで過去に行くことには成功していない。私には才能が無いということなのだろうか。
この方法が果たして本当に有効なのか…まあそれは分からないことであるが、もし皆様も過去に戻りたいと思ったらこの方法を試してみてもいいかもしれない。やってみるだけタダなので。
結局「過去」より「今」しか無い
私には、果たして過去に戻ることができる日が訪れるのだろうか…
そんな不安を抱えていたある日、特にする事もなくYouTube動画を見漁っていた私は、何気なくとある一本の動画を再生した。
ヒカキン&セイキンの「今」のMVである。
なんとそこには、巨大な時計の上でそのように歌うヒカキン&セイキンがいるではないか!
この歌を聞いた私は、思い直した。
過去に戻るというよりも今(過去と未来の狭間)を大切に生きるということを心がけた方が賢明なのかもしれないと。
今も、やがて過去になってしまうのだから、過去と未来の狭間(今)はとりあえずなるべくこれからの選択をミスらないように意識することこそが、
なのではなかろうか!
おお、ありがとう…ヒカキン&セイキン!
皆様にもヒカキン&セイキンの「今」を聴くことを強くおすすめする。
過去に行くより、「今」を聴こう!
駄文にお付き合いいただきありがとうございました。
(執筆・イラスト:副会長内害)