【沖縄県】総合診療医・本村和久先生が語る離島医療の今そして未来〜島医者は島が育てる〜◆Vol.2 #file3
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【沖縄県】総合診療医・本村和久先生が語る離島医療の今そして未来〜島医者は島が育てる〜◆Vol.1 #file3
の続きとなります。ぜひVol.1をご覧になってからこちらの記事をお読みください。
Vol.1は下記のリンクからご覧になれます。
離島で働く医師達の代弁者に
---離島医療を行う中で、不便に思うことはありますか?
「不便なことはやはり、天候です。台風などの影響で海が荒れたり船が止まると、本来本島で入院した方が良い患者さんや搬送した方が良い患者さんを離島診療所でずっと見る必要があります。出来ることを一生懸命考えながらやるというのが、一番苦労する所ですかね。」
---離島医療を行う中で、不満に思うことはありますか?
「不満に感じる事は、島にはいないが行政に関わるような離島の事情が分からない方との事務連絡など、なかなか要望がうまく伝わらないことです。」
---不便や不満に対して、どのように対処しているか教えて頂きたいです。
「16ある県立病院の医師の代弁者であればと思っています。実際に県庁に行って離島の事情を伝え、改善出来るような提案は行っています。
県庁にも色んな事情があるので、お互い理解してうまくすり合わせていくことが大切です。月に複数回離島の医師とweb会議で振り返りや勉強会も行っていて、こういった繋がりがもっと活性化すればいいなと思っています。」
---診療で困った時に誰に相談しますか、もしくはどこから情報を得ますか
「主に急性期なので、沖縄県立中部病院(本村氏の勤めている病院)に連絡しています。島で診る事が可能なものに関しても、重症心不全の患者や皮膚科で悩むケースなどは専門家と話をしています。私は病院と診療所を掛け持ちしているおかげで、連携はスムーズです。」
大切なのは人の話に耳を傾けること
このインタビューを聞き、離島医療を行っていく中で患者さんだけでなく、島内外の医療者含め様々な職種の方とのコミュニケーションが非常に重要であると感じました。
本村先生もコミュニケーションに関して、インタビューの中でこのようにお話されています。
---離島医療に必要なことはなんですか
「色々な患者さんの訴えを聞くことや、学校の先生や介護の方、診療所の事務員の方など島の他職種の方々の話を聞いて、リーダーシップをとり方針を決めていく事が重要であると思っています。」
---日常診療で気をつけていることはありますか?
「まずはコミュニケーションです。島の人にとって島で唯一の医師として関わって頂いているので、きちんと常に敬意を持ちつつ、何でも相談してもらえるように意識しています。
あまり馴れ馴れしくならず、かつ出来るだけ親近感を持てるような形でコミュニケーションをとる事を一番気をつけています。」
本村先生が思う離島医療のやりがいとは
---離島医療でのやりがいは何ですか。
「離島診療所では一人の医師が働くという事で、自分が行った医療の結果が目の前で分かること。上手くいかない事もありますが、上手くいった時は非常にやりがいを感じます。」
「津堅診療所は今診療所の前に小規模多機能の施設があり、そこで連携しながら在宅看取りをしているケースがあります。島で最期を迎えたい方と施設の介護職員が連携する事が出来、最期を迎える形がご本人やご家族にとって満足のいく形で行われると非常にやりがいがあります。」
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は、本村先生の考える未来の離島医療について詳しくお届けします。
この記事を書いた人
高橋希和 聖路加国際大学看護学部看護学科3年
高校1年生次、フィリピンのマザーテレサ孤児院にて、貧困に苦しみながらも支援を受けて学業に励む子ども達と交流し、ボランティアとして里親支援に参加。大学では、聖路加国際病院小児病棟に入院している子ども達を支える"Night Friend"に携わる。
将来は発展途上国等で看護師として健康問題の改善に取り組みたい。また、同地域で医療者を目指す学生の支援にも関与したい。
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