◉40話  9日間断食を終えて②

東愛知新聞掲載日:2023/4/10

やっと重湯を食べられる7日目、ひと口ひと口が五臓六腑に染み渡るとはこのこと。
お米の甘さが口の中に広がり、粘膜から浸透していくのを感じながら穏やかな気持ちで食べていると、食欲が猛烈な勢いで追いかけてくる。頭はもっとくれ。と。胃が活動を始めた証拠でもある。
頭の言いなりになって食べすぎると胃腸に負担がかかり後悔することは過去に学んでいるので、
8日目、9日目と慎重に量を増やしていきます。回復期間中に排便があれば断食大成功といえます。
味覚が研ぎ澄まされているので、ただ茹でただけのブロッコリーやキャベツの甘さや香りを感じられることの幸せ。
そして味覚って意外とすぐに変わるんだな〜と、毎回断食をするたびに思う事です。
ただ蒸しただけの野菜の味で十分!と思う反面、早く揚げ物を食べたいな!なんて、9日間を終える頃には頭の中は再び煩悩で埋め尽くされます。苦楽を分かち合った断食仲間も、8日目頃になるとやれパンだ、スイーツだ、コーヒーだ!と大盛り上がり。
現代は添加物や人口甘味料などが溢れているので、それらの分解にたくさんの栄養素を使われてしまい、栄養を摂っているわりに栄養不足という状態に陥っています。
もともと身体には栄養素の予備軍が蓄えられているけど、現代人は食べ過ぎでそれが使われることがありません。
そのために意図的に飢餓状態を作って予備軍を使わないと代謝も落ちていきます。栄養過多で身体を痛めるとは悩ましい現実。
普段食べ過ぎている事についてすごく考えさせられた今回の断食。大変な排毒体験もあったので、これからは毎年春にやろうと心に決めています。

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