◉35話  我が家の味噌作り2023

※東愛知新聞掲載日:2023/2/27

今年も我が家恒例の味噌作りがスタートしています。

まだ冷たい風が吹く朝6時半から外のかまどで大豆を煮始め、10時近くの煮上がる頃に参加者がそれぞれにボウルと作った味噌を入れる容器を携えてやってくる。

焚き火の暖かさと湯気に誘われて味見を一粒。じっくりと炊かれた大豆はふっくらしてとても甘い。


米味噌の材料は、大豆、米麹、塩の3つのみ。

作り方もとてもシンプル。

まずは発酵の下準備として塩と麹を混ぜることにより、不都合な(変な)菌を寄せ付けず麹菌のみを発酵させます。
麹菌(酵素)が大豆のタンパク質とでんぷんを分解し、「旨味」や「甘味」を作ってくれる。
分解した物質に酵母菌や乳酸菌が寄ってきて、「酸味」や「香り」が生み出されます。

菌がいなければ始まらないという、自然界の見事なハーモニーによって、添加物や保存料を一切使用せず、私たちの手の常在菌と空気中の有用な微生物で育っていく味噌の奥深さ。

実際に無菌状態であれば味噌はできないようです。

築年数の浅い家の方からは
味噌が上手くできなかったという話もよく聞く。

築80年の我が家は菌の宝庫。

寒仕込みがよいと言われるのは、冬から春夏を経て気温の変化と共にその時々の有用菌が活発になり味噌の味に深みが増していくという事のようです。
なによりもみんなでたわいもないおしゃべりをしながら漬けるというのが別格な味噌作りの楽しさでもあります。今年も美味しい味噌になりますように。
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まずは米麹と塩をしっかりとすり合わせる。潰した大豆と塩切り麹を合わせ、必要に応じて大豆の煮汁を少しくわえて耳たぶくらいの固さに調整する。ハンバーグを作る時のように空気を抜きながら味噌玉を作り、最後に容器に詰めていく。

味噌の種類って色々ありますよね。
赤味噌(豆味噌)、麦味噌、米味噌、合わせ味噌、白味噌、麹味噌・・・・。

講座でも聞かれることがあります。どう違うんですか?って。

全ての味噌の原料は、大豆、麹、塩の3つですが、味噌の種類によって、
米味噌→米麹を使用
麦味噌→麦麹を使用
豆味噌→豆麹を使用(愛知県生まれ❤︎)1年から3年発酵させる味噌の中では長期熟成タイプ。
合わせ味噌→米麹と麦麹をMIX
白味噌→米麹を使用、麹の量が他より多い。早ければ1週間ほどで完成。
麹味噌→米麹、麦麹を使用するけど、麹の量が多め。


麹の量が多めなら甘めになります。塩をあまり減らす(減塩)とカビが生えやすくなります。

米味噌は大体10ヶ月頃から食べ始められますが豆味噌は1年〜3年と長期熟成させます。

味噌の作り方。
①まずは米麹と塩をしっかりとすり合わせる。(塩切り麹と呼ぶ)
②潰した大豆と塩切り麹を合わせ、必要に応じて大豆の煮汁を少しくわえて耳たぶくらいの固さに調整。
③ハンバーグを作る時のように空気を抜きながら味噌玉を作り、最後に容器に詰めていく。



東愛知新聞掲載日

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