「手をかけて育てる」と、早くに手のかからない子になり、「手をかけないで育てる」と、いつまでも手がかかる子のままである、という事実。
私の尊敬する故七田眞氏は「愛情かけて、手をかけて、言葉をかけて 褒めて育てましょう・・・つまり、子育てにおいては四つの『て』を大事にしないといけないよ」と常々おっしゃっていました。
最近の若い方の子育てを見ていて思うのは、愛情をかけて、言葉をかけて、ほめて、まではなんとなく実行されていても、手をかけての部分がかなり欠けているな、ということです。
0歳から就園までは特に手をかけて育ててほしいと思います。つまり、日常生活の中で何でも一緒にして、いろんな生活経験をさせてほしいのですよ。うちの教室の小学生コースでは、実験をする中でさまざまな道具を扱いますが、「キリ」を見たことがない子や、ホッチキスを危ないからと使わせてもらっていない子がいます。マジックテープの靴を履いているので靴ひもを結んだことがない、という子や、蝶々結びがまったくできない子もいるので驚きます。
生活力の無さ、ったら!
小さな子に手ほどきをしながら一緒に作業をする、というのは時間がかかりますし大変面倒なことではあります。ですが、この面倒なことを、
『子の自立のため』
『私にしかできない』
『子どもにすべてを伝えたい』ととらえ、手をかけていくと
のちのち、「手がかからない子」になるんです。本当です。
逆に、面倒だからといって生活の経験値を高めることをしないで手をかけずにいると・・・・いつまでたっても手がかかる子になるのです。
『私が洗い物をする時は必ず自分の台を運んできて隣でHが流し役をしてくれます。(2歳)』と、教室のお母さまから提出された今月の成長記録にこんなエピソードがありました。母子で並んで楽しく洗い物をされている後姿が浮かんでくるようです。
最近では日本では缶切りが必要でない缶詰が多いですが、海外に行くとそうでもないので、缶切りの使い方も教えてあげてほしいですし、缶詰の二か所に穴をあけて中の液体を出す、ということも教えてあげてほしいです。ある程度大きくなったら、ワインオープナーも練習させてあげてね。
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