あの日誓った友情は #1
【アオイ】ムードメーカー、でもたまに空気が読めない
【カエデ】妹タイプ、人懐っこくしっかり者
【サツキ】姉御肌、自分を頼ってくる相手にはとことん面倒見が良い
【キキョウ】いつもニコニコして人当たりが良い、悪く言えば八方美人
【カスミ】私、仲間意識は人一倍強い、つまり寂しがり屋なんだろう
大学時代に出会った私達。
卒業後はそれぞれの道に進んだけど、たまに集まったり旅行に行ったり、その関係は変わる事はなかったし、ずっと続くものだと思っていた。
でも、人間生きていれば状況や環境が変わる。
状況や環境が変われば、人間関係も、変わる。
一番最初に結婚したのはカエデだった。
お腹に赤ちゃんがいるという事もあり、旦那様と「式はいいよね」という話になったそうで結婚式はしなかった。
安定期に入ると、旦那様の仕事の関係で海外に行ってしまった。
それからまもなく、サツキが故郷に戻る事になった。
なんとなく都会に疲れた。
それが理由。
キキョウは彼氏と同棲を始め、尽くすタイプの彼女は彼氏の為にと喜んで家事に勤しみ、今までのような時間があまり取れなくなった感じ。
アオイは2.5次元俳優にハマり、各地での舞台を観に飛び回っている。
私は、何も変わらない。
「5人で集まる時間」が無くなっただけで、その他は何も変わらない。
“うちらが結婚する時は結婚式に呼び合おうね!”
“子供ができたら家族ぐるみで旅行しようよ!”
“死ぬまでこの関係でいたいね”
無邪気だった大学時代。
あれから数年、今5人はそれぞれ、他の4人を必要とする事もなく自分の人生を歩んでいる。
グループLINEも滅多に動かなくなった。
でも、友情は消えた訳じゃないと私は信じている。
私は、4人それぞれへの連絡を途絶えさせる事はなかった。
返ってくる言葉は、あの頃からと何も変わらずあったかい。
これでいい。今は、これでいい。
また状況や環境が変化すれば、今の5人はまた新たな関係を築いていけるだろうから。
でも、この後起こる出来事を機に、5人の関係が終止符を打つ事になるなんて、この時私はまだ気づいていなかった。