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40過ぎ未経験の私がトップセラーになるまで(3)

👠元ラグジュアリーブランド・トップセラーの記録


私が所属していた店舗は、当時国内で首位を争う店舗だったのは言うまでもなく、海外の全ての店舗の中でもカテゴリー別で首位を取ることもあった。

私たちのお店は本社からも、本国のヘッドオフィスからもとても好かれた。
スタッフのウェルカムな雰囲気が、お客様だけでなく、内部の人をも呼んだ。

百貨店の社員でさえも、憩いの場としてしばしば立ち寄る心地よさだったらしい。

これはとても良いことで、お店にとって何かとプラスに働いた。

良い商材を良いタイミングで入れてもらえたり、優先的にイベントを組んでもらえたり、私たちの力を超えたところから強力な助っ人が来るようなもの。
良いサイクルが更に良いサイクルをもたらすのは、こう言うことなんだと思う。


笑う角には福来たると言うけれど、にこにこ笑顔を絶やさず、前向きに目の前のことに真摯に取り組む姿は、人を動かすんだと思う。

最初は周りの人々を動かして、その輪がどんどん外に波及して広がっていく。輪が広がって隅々まで浸透する頃には、売れる店舗と認識されるようになっており、良いお店と評価されるようになる。

難しいことなんて何一つなく、ただただやるべき事を一つ一つ一生懸命やっているだけなのに、時々とんでもない幸運が舞い込んできて、高額な商品をポンっと買ってくださるお客様が現れ、ピンチを救ってくださったりする。

私はこれまで、何度この手の予測不可能な幸運により、救われた経験をしてきたことか。

神様ってやっぱり見てくれてるんだなと思う。

相変わらずブランドも仕事も大好きだった。
安定的に成果も出せるようになり、40過ぎ未経験で入社した私は、次第にベテランと呼ばれるようになっていた。

このまま、定年退職まで趣味みたいに続けてもいいかなと思えるくらい、心の底から好きだった。


【次は、私に訪れた晴天の霹靂のお話】

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