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読書・映画の感想文

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たれながすことばとこころ
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#人間

映画メモ76「パリタクシー」

会いたい人は、そこにいるのかしらね。 きっとそうね。 その日まで私も生きなくてはいけない。 必死に生きないけど、生きるのが終わる日まで 生きなくてはいけない。 傷付いてもうダメだと立ち上がれない 生きる気力が失せることが起きても 人との出会いで何かが決定的に変わることがある。 生きていける気がすることもあるし 世界を信じられるようになることもある。 大事な人なんだ、愛する人を会わせたいんだという シャルルの想いだけがシャルルの得たかけがえのないもので 人との出会いに私

読書メモ18「貧乏物語」

どんな物語かと思ったら、貧困についての話だった。 河上さんはマルクス学者さんなのね。 おや青空文庫も。 おや現代語訳、しかも佐藤優の翻訳。 私が読んだのは岩波版。 何が悲しいって、100年経っても 何も変わってないところ。 奢侈なものはいっぱいあるけど 必要なものはいきわたってないなんて 「スマホ持ってるけど衣食足りてない」という 現代の日本の貧困は、別に今始まったことじゃないと分かる。 さすがに残飯を買って食べるとかまではないけど。 ↓これらの本を読んですっごくびっ

映画44「月」

とりあえず感想「津久井やまゆり園事件」をベースにした小説の映画化。 一言で表現するならば 俳優を味わう映画。 宮沢りえちゃんを観に行ったのだけれど、 全員が素晴らしかった。 きっと役が終わっても、ずっと考え続けて、 そしてそれはほんとに肥やしになるんだろうって思えた。 それを肥やしにできる人しか出ていないんだろうとも。 そして、みんな見てほしい。 私はあの日のことを覚えている。 独占欲の強