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【ピアノ初中級】めずらしく1日5時間練習した時のこと
最低限の練習、それでも〇〇の結果を出しました、難曲がひけるようになりました談がSNSには溢れていますが、ごくごく普通の凡人にはピアノはそんな簡単にどうにかなるものではありません。
幼い頃は全くといってよいほど練習しなかった私ですが、大人になり再開し発表会が迫ってときのことです。
表現はともかく、せめて音のミスなく弾きたいと思うようになりました。
曲はベートーヴェンの中でも簡単な部類に分類される初期のソナタ、、らしいのですが、このネットの評価は全くアテになりませんでした。
難しかった。
自分にとってはチャレンジングな曲。あなたにできますと、先生が選んで下さった曲なので全力でできる限り応えようと思いました。
この時に、自分は一体どのくらい最大で練習できるのだろうと試してみたくなり、たまたま仕事も閑散期で2日ほど休みグランドピアノの練習室を借りることにしました。
この頃、家では毎日おおよそ1時〜2時間は
弾いていましたが
結果、1日、5時間が限界でした。
午前2時間、午後3時間。
次の日は疲労がひどく1時間弾くのが限界でした。曲目ベートーヴェン。
指は平気でしたが、精神的な疲労というかなんというか。身体はそこまで疲れてないのですが、、頭も身体も…どこだかわからないところが疲労しています。
長時間繰り返し、繰り返し弾く、ただ楽譜の音符を誤りなく鳴らすレベル、表現がどうのというレベルになくても時間をかけたらある種の収穫がありました。
大変妙な話ですが、ベートーヴェンと話をしているような気分になったのです。
本や映画など何度も同じ話を繰り返し読んだり見たりすると味わいが増すように、ただ文字通りのクレッシェンドやpp、そしてスフォルツァンド。その通りに表現しようとするその過程で音楽に人格のようなものを感じていました。
1つ1つの音は空気の震え、、という現象にも関わらずそれの集合体が語りかけてくるものと対話しているようでした。
専門的な分析ができるほどの知識はなくとも、稚拙な感性でも、この音の並びの次に、その音を持って来るのってすごいと感じ、ほんの少しこれまでとは違った聴こえ方になったのです。
現代の楽器は彼が使っていた楽器と全く同じ音がしていたわけではないことは知っていますが、その音を再現することで何百年も前に亡くなった彼を身近に感じたのです。