アイヌ語の継承に挑む父娘。私にできる沖縄の言語復興は何だろう。
日本の危機言語
日本の言語・方言の中には,消滅の危機にあるものがあります。
それには,ユネスコ(国連教育科学文化機関)が平成21年2月に発表した“Atlas of the World’s Languages in Danger”(第3版)に掲載された8言語・方言や東日本大震災の被災地の方言が該当します。
《中略》
【極めて深刻】アイヌ語
【重大な危機】八重山語(八重山方言),与那国語(与那国方言)
【 危 険 】八丈語(八丈方言),奄美語(奄美方言),
国頭語(国頭方言),沖縄語(沖縄方言),
宮古語(宮古方言)
※ユネスコでは「言語」と「方言」を区別せず,全て「言語」で統一しています。
出典:文化庁
言語継承は難しい。差別があればなおさら。
沖縄の言語もアイヌ語も、衰退の背景には少なからず差別がある。その言語を話すことが「いけないことだ」とか「かっこ悪い」という意識が植え付けられてしまうと、それを復興させるのは非常に難しい。
沖縄では、方言ニュースというラジオ番組をやっていたり、イマージョン教育を取り入れたりして、どうにか方言を残そうと努力している。
若い人も沖縄の方言を残そうという意識があるのか、方言を使うには使うんだけど、中には間違った方言もたくさんある。親に言わせると、本来の意味と全く違う意味で使ってる方言があるとのこと。それだと、言語を継承はしてるけど、正しく残していくことにはならない。
私は言語継承には興味があるけど、何をしたらいいかまだ分からない。
アイヌの状況は分からないし、沖縄とは状況が少し違う部分もあるんだろうけど、継承する方法は容易ではないんだろうな。
そんな中で、積極的に行動に移すこの父娘は尊敬する。それぞれのバックグラウンドが異なるからこその葛藤があるようだけど、すごいなぁ。
災害も言語の衰退を進めてしまう
日本の危機言語は琉球言語とアイヌ語だけだと思ってた。
でも、東日本大震災の被災地の方言も危機言語になっている。過疎が進むんだから、自然なことといえばそれまでだけど、やりきれない。
言語はアイデンティティ
自分の言語が消えるのは、自分のアイデンティティが消えてしまうこと。
利便性で言えば、言語は世界に1つがいいかもしれない。そうでなければ私もこんなに英語コンプレックスを抱え込まなくてよかったはず。
世界に1つじゃなくても、日本国内くらい統一した方が楽だろう。実際、「標準語」がメインになっている。
でも、「方言の方がニュアンスが伝わる」「標準語ではしっくりくる表現がない」という現象は日本各地で生じているはず。
だからこそ他の都道府県の人と話すと、「それ、どういう意味?」「ん?いまなんて言ったの?」「うちではこう言うよ!」など、同じ日本人なのにこんなに違うのかという発見があっておもしろい。ちなみに、沖縄なんて、島が違えば外国語くらい意味が通じなかったり、沖縄本島の中でも隣の町と訛りが違ったりする。
私はまだ何をどうしたらいいか見つけられないでいるけど、問題意識だけは持ち続けていきたい。
fisagによるPixabayからの画像