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「僕は悪くないけど保険で払って」 「はっ?」(賠償責任保険)
獣医師賠償責任保険に加入している動物病院の先生から
「僕は悪くないけど飼い主がうるさいから保険で払っといて」
と言われました。
「はっ?」
「先生、獣医師賠償責任保険は、先生に法律上の賠償義務が発生した時に保険金を支払う保険なので先生が悪くないなら保険金は払えません。」
「じゃあ、僕が悪かったことにして保険金を払って」
「先程、先生は僕は悪くないと言いましたよね。保険金を払うために嘘をつくのは保険金詐欺で5年以下の懲役ですよ。」
賠償責任保険は、法律上の賠償責任が発生しないと保険金は支払われないのです。先ほどの例で言えば動物病院の先生に過失が無い限り保険金は支払われません。
また、ある時、事務所にこんな電話が掛かってきました。
「おたくで保険に加入している電気保安員がうちの幼稚園で点検作業をしたら、導入したての防犯カメラが壊れた。300万円保険金を払ってよ。」
私は、電気保安員に確認しました。「作業で、何かミスをしましたか?」
電気保安員は答えます。「作業は手順通り行いました。過失はありません。年に何度が切電して通電した時に電気機器が壊れる事があるんです。」
皆様は、電球のスイッチを入れたり切ったりしているうちに電球が切れた経験は、ありませんか?それと同じ現象なのです。
私は幼稚園に「電気保安員に過失は無いので保険金は支払えません。もし、電気保安員に過失があると主張されるなら、幼稚園の方で証明してください。」過失の立証責任は被害者側にあるのです。
幼稚園の人は激怒して電話を切りました。
では、この様なケースは、どうしたら回避できたのでしょうか?
それは、幼稚園が設備に「新価実損払い」の「電気的機械的事故」も補償する火災保険に加入することです。大切なものは自分で保険に加入して自分で守るしかないのです。自動車保険でも車両保険に加入するのが同じ理屈になります。
自然災害が原因の事故も賠償責任保険で支払われません。詳しくは私のnote
を読んでください。
守るべき物がある場合は、自ら保険に加入して守って下さい。