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第13話:新天地へいくぞ!!

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さて、前回はたか兄の仕事の為に人生3回目の転校を余儀なくされたえーちゃんのお話。親の事情に振り回され続けた小中学生時代。親の離婚を経験し、自分を見失ってしまったえーちゃん。それでもおれを認めてくれる環境を追い求めて自分を捨てて沢山の友達の輪を作って居場所を見出してきた矢先の転校。果たしてえーちゃんはこの後どうなってしまったのか。

👉二階建ての豪邸へ

中学1年の春休み、産まれた故郷を後にし引越し業者のトラックを背に我が家は旅だった。母から「次に住む家は二階建ての一軒家だよ」と言われワクワクしていた。家は母親とたか兄だけで事前に決めていておれ達子供は今日が初めてのご対面だ。転校が辛かったおれ達に母なりの優しさで大きな貸家を選んでくれたんだと思う。たか兄とも生計を共にしていた分お金に余裕ができていたからこそだ。ありがとうたか兄。

車で5時間ほど走り到着した。坂道に面した小綺麗な二階建てのお家。おれは嬉しかった。またこんなお家に住めるんだ。恥ずかしく無いんだって。それにこっちの人達はおれの過去を何も知らない。親父がいない事も貧乏な事も。どうせならこのままたか兄が親父になってくれないかなって本気で思いだしたのもこの頃だったと思う。
春休み中のおれは慣れない新居で久々に家族との時間を過ごした。あんまり記憶に無いがとにかくこの春休みは楽しかった。

👉くるぶしソックス

休みが終わりいよいよ新学期の始まり。転校に慣れていた筈のおれだったが思春期だっただけにガチガチに緊張していた。どんなキャラでいこう?最初が肝心だ。イジメられたりしないかな。色々勘繰っていたと思う。

おれが通う学校には5クラスあった。中学2年の新学期で他の同級生も初めてのクラス替えでソワソワしていておれはあまり目立つ事なくクラスに溶け込めていた。誰かと話す事も無くただ案内にあった席に座っていただけだが。そんなおれが入ったのは2年4組だった。

一通り朝の挨拶が終わり休み時間になり席でぼけっとしていると近くに居た同級生達数人がおれを見てコソコソ話をしている。なんだ?からかわれるのか?イジメか?そこでおれはふと気がついてしまった。

「全員ハイソックス履いてるやんけ」

凍りついた。おれは転入初日にくるぶしソックスを履いていたのだ。前の学校でもくるぶしソックスは禁止だったがイケテル奴だけは学校の規則なんか関係ないの精神でくるぶしソックスを履いていた。念の為周りを見渡したが誰1人履いてなかった。そう。この学校は規則に厳しく生徒も皆真面目ばかりだったのだ。勿論ヤンキー風な同級生もいたがちゃんと規則だけは守っていた。おれはすぐさまトイレに駆け込みくるぶしソックスを無理矢理引っ張り丈の短い靴下風に履いて少し腰パンにしなるべく靴下を見えないようにその日を過ごした。帰宅後すぐに母親にその事を伝えハイソックスを手に入れたのは言うまでもない。
恥ずかしかった。これが転入初日の思い出だ。後から聞いたがあの時周りの同級生はみんな本物のヤンキーが転入してきたと噂していたらしい。

👉ワクワクは止まらない

次の日ハイソックスをギチギチに伸ばし堂々と自転車を走らせ学校に向かった。
余談だがおれが住んでいた場所はほんの数百メートルで別の学区域になるくらいの地域の境目で丘の上みたいな所だった。毎朝7時に自転車で家を出て坂道を下り川沿いを走り畑道を抜けた先に学校があった。帰りは自転車を押して登らないと行けないくらい高い丘だ。あの時は鍛えられたよ。母さん。

まだ友達と呼べるような同級生はおらず学校に着くなり席に着きただ退屈そうに1限目の準備をしていたおれ。ふと視線を感じ廊下に目をやると別のクラスの女子数名がニヤニヤしながらおれを見ていた。今度はなんだ?なんかやらかしたか?おれは恥ずかしくて一生懸命その女子達に気づかないフリをした。どうやら昨日の靴下の噂を聞きつけて集まってきたらしい。やっぱり転入生って目立つんよな。過去の経験からだ。早くどっかいってほしかった。

まだ馴染めない環境にその日の帰り道もおれは1人でチャリを押し歩いていた。すると後方からおれの名前を呼ぶ声がした。振り返ると朝一廊下にいた女子集団だ。絡まれた。どうしよう。おれは冷静を装ってどうしたの?靴下ならハイソックスだよ?と自ら自虐ネタをかましていた。すると1人のリーダー的女子が「この子が一緒に帰りたいみたいなんだけどいい?」と唐突に言ってきた。どんな展開キタコレだった。まさか男子より先に女子と仲良くなってしまうかもしれない最高で最悪な展開。断る理由も無くおれはその子とチャリを押しながら帰宅する事になった。

何も喋らない訳にもいかず名前やクラスを聞いたりたわいの無い会話をしていた記憶がある。この子はどうやら自分の家の隣の隣に住んでいる子らしく引っ越した時からおれの事が気になっていたらしい。それがおれの初体験の女"しおりちゃん"だ。

👉次回予告

いきなり訪れた青春。初めてのキス

👉最後に

皆さんはどんな中学生時代を過ごしていましたか?今でも中学からの同級生と繋がっていますか?おれは誰1人として繋がってません。おれにとっての中学生時代はただの思い出で一生に残るような宝でもありません。よく時間を巻き戻すなら中学生時代にって人が多いけどおれはこの時が1番キツくて人生二度目の分岐点でした。この後おれはとんでもない過ちを犯します。お楽しみに。

更新が少なくなってしまいすみません。毎日更新しようと思っていましたが無理に続けると内容がつまらなくなってしまったり義務感が出てしまって書くのが億劫になってしまってました。これからは自分のペースでのんびり更新していきます。

沢山の方に見ていただき幸せでいっぱいです。ありがとうございます。また次回

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