ツインレイ〜愛し合って?
『彼と愛し合って』
宇宙は私にそう何度も告げるのだった。
時には
『愛し合いなさい』
『これは依頼かもしれない』
『彼の奥さんと子供のことはこっちで何とかするから』
そこまでの言葉と共に。
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私は、元々慎重で、危なっかしいことは避けるタイプ。浮気だとか不倫だとかも絶対に、ないタイプ。
だから、そもそもお互い既婚者で、そうして彼の仕事とか立場とかを考えたら、彼とどうこうしようとか、どうこうなろうとかは、私にとって、本来はまず、あり得ないことのはずなのだ。
でも、宇宙は、私に、告げる。
『彼と愛し合って』って。
去年の初夏の頃、ものすごーく、言われた。
そんなこと言われても。彼には奥さんと子供が。
そんなふうに私が言っても、宇宙はとにかくプッシュしてきた。
でも、結局、私は何の行動も起こすことはなく、ただ、彼と仕事絡みで会う時はバカな話をして楽しく過ごす、それだけをしていた。
ただ、今思えば、その初夏を過ぎた辺りから、私の周りではさまざまなトラブルが起きた。
ひとつ終われば、今度は次、みたいに、これでもか、というくらいに。息つく暇もないくらいに。
魂の望みを思い出させるために、自分ではなくて、家族なり周りに何かことを起こすことがある、宇宙はそんなことまですることがある、というのを知ったのは、つい最近のことだ。
彼とのことを進めずに、ぬくぬくと安全圏内にいようとしている私に、お前が本当に欲しいのは、あの男だろう?と、宇宙は、あの手この手を使って、私に突き付けていたのかもしれなかった。
お寺の石、彼との前世を教えてくれる石とはまた別の、若々しい感じのするその石は、私に教えてくれたことがある。
『彼のことを思いながらも、涙を隠しながらも周りに愛を注ぐでしょ?Risaちゃんがそういうふうに周りに愛を注ぐ姿や頑張ってる姿がガイドを通じて彼に伝わるの。そうするとRisaちゃんヘの彼の愛が増すの。そういう仕組みだよ』って。
だから、私はそういうものだと思って、進むことじゃなく、彼を大事に思うからこそ進まないことを選んで、それでいいのだと思っていたのだ。何よりそこは、私にとって安全圏内だったし。
でも、いつまでも安全圏内にいるな、もういいかげんに愛し合え、と宇宙はさらに私に告げる。
奇しくもまた、初夏の頃。
また宇宙の大応援を無下にして、そして周りにトラブル続き、なんてことはもう避けたい。
でも、本当に、進んでいいのか。
そんな堂々巡りを繰り返して、それでも結局よく分からないままに、勢いにまかせて、私はこの夏、彼に、離婚しようと思ってるとか、抱いてもらえたら嬉しいだろうなと思ってるとか、うわ、そんなことを伝えたのだった。
そうして今、感じとっていること。
彼に伝えた後に、夢で見たビジョン。
彼は、私の本心を知ったことで、嬉しい。
そして彼は、彼の中で、私を愛してもいい、と許可を出せた。
その結果、彼は、暗号コードのような、長い長いパスワードを手に入れて、打ち込むことができた。
これでやっと、彼は彼として生きることができる。
彼は、彼が彼として生きるための、膨大な叡智にアクセスすることができるようになった。
夢をみた私は、よかった、って心の底から安堵している。
彼が彼として生きるために必要なパスワードを持っていたのは私だった。
彼に、ラクになってほしい、って思っていた。つらそうな彼の、重荷をおろしてあげたかった。ずっとそう思っていて、だから、面倒な浮気相手なんてものをこれ以上背負わせてはダメだ、仕事に迷惑かけちゃダメだ、って私はブレーキをかけていた。
でも、私が本心をぶつけて、まずは彼にパスワードを渡さないことには、彼は、本当の彼になれなかったんだ、って分かった。
彼を、彼として生きさせてあげられるのは、私の愛だけだった。
それは、私を、私として生きさせることができるのも、彼の愛だけ、ということでもあるのだった。
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