行けなかった 辻仁成さんのラストライブ そして、はじまり。
辻仁成JAPANファイルツアー
“終わりよければすべてよし”
大阪フェスティバルホール
ラストライブの日
行きたい想い
私は辻さんのWebマガジンに
なぐさめられ、助けられてきた。
ひとつ幕を引く辻さんのラストライブで
自分を見つめたかったのかもしれない。
けれど、不甲斐ない私は、背中を引く見えない力を、抜くことは出来なかった。
行きたいのに、行けない。
夕刻、遠い空に成功を祈る。
終演・・・
『千秋楽は、渾身のライブ、大成功。』
そう記された Webマガジン滞日日記
に、読む口元が緩む。
翌日の日記には、音楽、絵、個展、小説のこれからのこと。多彩な表現をより発信していく、はじまりに満ち溢れていた。
気持ちが上を向く
そして、この言葉が。
『終わりがよければ、全部がよくなる。』
私の想いは
辻さんの「時間」に飛んだ。
例えば
1day と書いた同じ砂時計が
2つあって
ひとつは満たすほどの砂
もうひとつは砂が半分
満たすほどの砂時計の砂は
未来を見据えた砂で満ちていて
穏やかに落ちてゆく
辻さんの時間
半分の砂時計の砂は
変えることができない
悩みの砂
ただ落ちてゆく私の時間
ここ数年の
Webマガジン 滞仏日記に
書いてあったこと。
子供が離れるのを前に、生活を共にする犬を飼い、ノルマンディに居を構える。
パリとノルマンディでの、愛犬三四郎との暮らし。
パリのオリンピア劇場でのコンサート
初個展と青山での個展
JAPANファイルツアー
まるで、小説のよう。でもこれは小説ではない。穏やかに落ちる辻さんの砂の時間が、現実に叶えたこと。
ファイルツアー後の辻さんの日記には、これからの壮大な構想が書かれている。今はまだ話すことはできないと前書きがある、人生の大構想も。
辻さんは、これからのために終わらせたものがある。
私の生活の中にある悩み。
何かを楽しむことも、前に進むことも淀んでいた。
私は、砂時計の砂を変え
時間を変えよう。
行けなかった辻さんのラストライブで
見たのは
『終わりがよければ 全部がよくなる。』
そして、はじまり。
きっと来る、全部がよくなる日が
きっと来る
私は前に、少しずつでも進んで行こう。