ライオンズゲートと一粒万倍日と私
8月に入ってから、SNS等でちらほら「ライオンズゲート」という言葉を目にするようになった。
クールな名前に惹かれてググってみると、宇宙と地球をつなぐ「獅子の扉」が開いてエネルギーが降り注ぐ重要な期間らしい。この扉が開いている間にやるべきこと、やるべきでないこと、など色々出てくる。
「ゲートが閉まる前に」という言葉に急かされるように、スピリチュアルに詳しくない私も夢中でネットを読み漁った。
ふと我に返ると夜中の2時。
…まずい。これは、非常にまずい。
だって、こうして情報を得る目的は究極、ラッキーをつかんで幸せになりたいからであって、本当なら自分がハッピー状態になっているべきなのだ。なのに今の私は、必死にスマホを握っていたせいで手は痺れ、息は浅く、目は血走っている。ついでに寝不足は幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの減少につながるし、お肌も荒れるし、いいことがない。
修行が足りない我が身には、まだまだライオンズゲートの恩恵にあずかる準備はできていないようだ。
そう諦めた私は、すぐさまぐっすりと眠り、起きたらよく食べ、したい時に仕事をし、疲れたら昼寝し、SNSと距離を取り、ゲートの閉まる8月11日までを心穏やかに過ごした。
夏バテで体力が落ちている時は無理しないのが一番。ゴザの上でゴロゴロしながら、ふと、前にも似たようなことがあったのを思い出した。
一粒万倍日だ。
吉日に詳しい知人に「一粒が万倍になって返ってくる、何かを始めるのに最適な日」と教えてもらい、あれもこれもやらなきゃと慌てて、結局何もできずに疲れて終わったのだ。
情報に振り回されがちな私の、悲しき性(さが)である。
本当にこうした機会を活かせる人というのは、前々からこの時のために準備し、落ち着いてチャンスをゲットするのだろう。ポッと出の私が焦ったところで、嵐の日の風車のようにグルグルグルグル回って終わるのだ。
ありがとう、一粒万倍日。さようなら、ライオンズゲート。
私は私の内なる声に従って生きていくしかなさそうだ。
※本記事は、スピリチュアルや吉日の意義を否定するものではありません。