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スリランカで感じる仏教

はじめに

スリランカは仏教国である。コロンボの街中にも祠を見かけたが、ダンブッラとポロンナルワに行く機会があり、そのときに感じたスリランカ仏教を書いてみたい。

ダンブッラ石窟寺院

スリランカの真ん中くらいに Dambulla ダンブッラという街がある。ここは石窟寺院で有名だ。紀元前から続くこの寺院には多くの仏像と壁画が残されている。

ダンブッラ石窟寺院

ここは思った以上に見どころのある石窟寺院だった。山というか丘の上にあるこの寺院に行くのはえっちらおっちら階段をあがってゆく。そこそこいい運動になるくらいの距離だ。

エキゾチックな顔の仏像

石窟寺院というとムンバイのエレファンタのような石窟寺院を想像していたがここは違っていた。仏像も壁画もカラフルで保存状態も良いのである。

仏像がならぶ石窟寺院

スリランカの仏教はインドから伝えられた上座部仏教である。そしていまでも7割のスリランカ人が信仰しているスリランカ第一の宗教だ。

ダンブッラは壁画も圧巻

上座部仏教はここからタイへ伝わった。タイの寺院はどこへいってもキンキラキンで騒がしいが、ここには静寂がある。

寺院に入るときに靴を脱ぐのはタイと同じであるが、まったくの屋外で敷地も広いので捨ててもいいような靴下で行くのがよい。雨の日なら裸足だ。逆に天気の良いときには裸足だとあまりに熱いので靴下があるとちょうどよい。

ポロンナルワ遺跡

ポロンナルワの巨大な仏舎利、Rankot Vihara ランコトゥ・ヴィハーラ

ダンブッラから2時間くらいのところにあるポロンナルワの遺跡に残るRankot Viharaは黄金の塔と言われ、尖塔部分が黄金だったそうだ。全部がキンキラキンのタイ寺院とは趣旨が異なるようだ。

ポロンナルワ、Vatadage ワタダーゲのムーンストーン

寺院の入口にあるムーンストーンはスリランカ仏教寺院に特徴的な装飾で輪廻を表現している。

Atadage アタダーゲの鳥居のような門

アタダーゲは仏歯寺の跡だが、ここの入口が鳥居のようで面白かった。

終わりに

ダンブッラ石窟寺院とポロンナルワ遺跡で見たスリランカ仏教美術は、同じ上座部仏教であってもタイと異なるものであった。スリランカから伝わった仏教はタイでさらにパワーアップしてキンキラキンになったのだろうか。
仏教はキリスト教とイスラム教と異なり好戦的ではない。キリスト教は各宗派で争い何度もヨーロッパで戦争を起こしたあげく、帝国主義に走ってアジアとアフリカを蹂躙した。イスラム教はいまでも各地で我が物顔で振る舞い軋轢をつくったあげく、思い通りにいかないとテロや暴動を始める。仏教でも多少そのような暴力もあるのであろうが、キリスト教やイスラム教レベルの悪行非道は聞いたことがない。スリランカやタイのような仏教国やわが国のお寺でときたま仏教にふれるとき、仏教の世界観を感じることができる。
(Sept/2024)


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