父と娘のNY旅行②(アポイントは公衆電話で)
チャリン、チャリン、チャリン…
公衆電話に沢山のコインを入れて父は電話をかけだした。
到着して翌日、私はまだ時差ボケのままだ。
父の黒い手帳には、電話番号がいくつか書いてあった。心の中で『クラシカルなアポイントだな〜』と思いながら、道行く急ぎ足の人たちを眺めていた。
今なら携帯が当たり前だが、20年前に海外で携帯を使うことはしなかった。父は目星をつけていたガローに電話をして公衆電話でアポイントをとっていた。もしかしたら日本からメールをしていたのに追加して、『明日行くからよろしくお願いします。』といった内容を電話していたのかもしれないが、何か約束を取り合っていたのは確かだった。
しばらくして父はスターバックスの様なカフェに連れて行ってくれた。父はいつもコーヒーかカプチーノと決まっている。何にしよう…と思った瞬間レジ横のショーケースに目がいった。
美味しそうなフルーツサラダがあった。
ぶどう、イチゴ、スイカ、パイナップルなどが入っていてフルーツが好きな私にはとても魅力的にみえた。
『お父さんこれがいい!!』そういうと、父が注文してくれた。
あっさりした味でパイナップル以外はそこまで甘くなかった。イチゴも日本のとは別物で、少し固くてさっぱりした味だった。イチゴが思ってるイチゴじゃない!!これも驚いた。
その日は沢山の道を歩いた。
広い公園にも行ってベンチで休憩して、美術館にも行った。
美術館はこの旅の最中沢山行ったが、グッゲンハイム美術館が真っ白で、円形で印象的だった。
ピートモンドリアンというオランダの作家の作品も好きになった。
未だにこの作品が好きだ。色の配合はこの作品かららきているのではないか?と思う作家の作品も多い。私は色の並びがバスキアも似てると思う。バスキアはzozoの元社長、前澤さんが落札したことで有名な作家だ。
夜は2.3日ごとに父の友人宅を転々とした。アート関係の知り合いや、両親が結婚する前に行った海外留学の際に出会った友人の家などだった。どの家の人にも優しくしてもらった。明日はそこでの話を書いていこうと思う。
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