あとがき
5年前。一瞥体験後のわたしと、その前のわたしは、人格が違うんじゃないかってくらい変わった。好みも変わったし、価値観も変わった。
朝起きると自分がどこの誰かを思い出すのにしばらく時間がかかった。子どもが産まれていることに何度もびっくりして…。
一瞥体験後しばらくして、わたしは初めてアストラルトリップをした。
それは今までのアストラルトリップの中で一番はっきりしていて、意図せず突然に起きた。
宇宙船のダクトみたいな長いトンネルにずっと吸い込まれてて、風も感じた。いつまで続くんだって思ってたら光に入って、その先に誰かが待っていた。
視界の範囲は円しかなくて、戦闘用の服みたいな格好をしているその人を下から上にゆっくりと見た。
ガイドさんかな?イケメンだといいなぁとかって思ったけど、そこにいたのは黒髪のショートカットで男装している女性みたいな中性的な人だった。はっきり顔まで見えた。
見たことあるようなないような顔。
そしてその後ろにあった重そうな大きな扉を開けてくれた。そこからは真っ白になって、意識は消えた。
実はわたしはその日を境に、別の地球に来たのではないかという感覚を持っていた。別の未来の可能性の地球だ。
それまではこのままじゃこの人類はなんらかの災いに遭って滅亡するんじゃないかと感じていた。一瞥体験はそのお知らせだったんじゃないかという危機感を募らせていたからだ。
だけどそのトリップをした翌日、初めて見たCMを見て、前の地球よりポジティブになっているような気がした。
世界が以前より光っているように見えた。
その後ネットで大日月地神示の記事に辿り着き、この世界は既に救われたのだと理解した。
前回の記事を自分で書いていて、書きながらまだ癒えていなかった浄化が起きた。そこで頭の中に視えていたのは、あの頃の自分。子育て中、助けてくれる人が誰もいないと…深い闇の底に沈み込んでいた5年前のわたしだ。
あのアストラルトリップの起きた5年前。
そのゲートの前にいた中性的な女性は、今現在のわたしではなかったか。今のわたしの霊性体としてのわたし。
もしかしたらその時入れ替わったんだろうか。記憶は引き継いだけど、今のわたしと前のわたしとは何かが違う。別人みたいに。より拡大した意識、のような。
そのトリップ中は無言でなにも分からなかったけど、前回の記事を自分で書き出して、その時何を伝えたかったのかやっと分かった。
あのどん底の闇に沈んでいたわたしを救ったのは、わたしだった。少し未来のわたし。時空を飛び越えて、わたしはわたしの心に会いに行ったのだ。
昨今の都市伝説界隈ではマンデラエフェクトも有名な話だ。
事実と異なる記憶を不特定多数の人が共有している現象。当時存命中だった南アフリカの指導者ネルソン・マンデラについて、1980年代に獄中死していたという記憶を持つ人が大勢現れたことに由来している。
わたしの記憶ではオーストラリアの位置が違う。
もっと真ん中の方でポツンとしてて、ニュージーランドが右上だったという記憶だ。
もともとメルカトル図法によって、世界地図が湾曲しているので、変化したという話もある。
それにしても中国やアメリカはもっと大きかった気がするし、ニュージーランドの位置は違った気がする。(そしてその記憶を持った人がわたし以外にも存在する)
まぁ、誰かの都合で作られた地図や歴史や国の大きさが、もしくはネット記事が、今さらどれも真実だとは思わないけれど。
↑今現在の世界地図。
あのアストラルトリップがあったから、世界線が変わっているというのも、わたしにとってはあまり不思議なことではない。
夢という手段を使って、過去を書き換え、別のパラレルへと移動しているのだとしたら?
もしかしたらわたしたちは夜な夜な少しづつ世界線を移動しているのだとしたら?
そうだとしたら、この世界の変化は在るはずのなかった、過去からやってくるのかもしれない。
そんな可能性という一縷の望みを夢見て、わたしは今日もネットという集合意識にわたしの意志を投げ込んでいる。
最善の未来へ辿り着くために。