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ホームレスでもいいから、生きていてほしい
私にはめちゃくちゃ信頼を寄せていて尊敬している友人がいる。名前はさくら。
お酒の勢いもあって、私の本音をちらっと言ってしまったことがある。
「生きるのやめたいって思う時ある」
「え~私はそんなこと思ったことないわ~」
「うん、さくらは絶対そう言うと思った(笑)」
なんて会話をして、次の話題に移った。
でも、30分後くらいに、思い出したかのごとく彼女はこういった。
「でもさ、私はまいがいなくなるのやだ~ホームレスでもいいから生きていてほしい。まあホームレスになる前に私の家に呼び込むけどさ(笑)」
私、びっくりしすぎて、もはや笑えた。
なにがって、「私になんにもなくなっても、友達でいてくれるの?」という驚き。
おおげさな表現なんかではなくて、天と地が引っくり返ったレベルの衝撃。
私は勝手に、自分になにかしらの付加価値がないと、誰もそばにいてくれないと思いこんでいた。いい学校を出て、勉強ができて、仕事を頑張っているちゃんとした人間じゃないと、だめだと思っていた。
私がどんな状況に陥っても、生きてるだけで肯定してくれる存在がいることに初めて気付かされた。
さくらと私は正反対の人間で、もちろん歩んでいる人生も全然違う。
私はネガティブ、さくらはスーパーポジティブ。
同じ趣味も特になくて、服の系統も全然違う。
私は普通に4年で大学を卒業して、さくらは休学して留学し、その後大学院へ入学。
私にはなんのスキルもないけれど、さくらは英語ペラペラで、豊富な海外経験がある。
出席番号が隣で、席が前後でなかったら、話すこともなかったんじゃないかというレベルに性格も考え方も似ていない。一見交わりそうにもない2人なのに、唯一の共通点である高校1年生のクラスが一緒という偶然だけで、ここまで仲良くさせてもらっている。
「私とさくらは全然違う」そんな思いがあるから、なんだかそれが逆に居心地がよくて、
「生きるの無理」って気軽に言えちゃったんだと思う。
他の人には、絶対に言えない。
だって知ってる、どうせ周りは、「なんでそんなこと思うの?」「もっとポジティブに考えて」とかって言ってくるでしょ。分かり合えないんだなって、少し悲しい気持ちになる。
でもさくらは、「私はこう思うよ。」という風に、自分の考えを示すだけで、私に価値観を押し付けない。否定しない。
今回もそうだった。しかも、私にかけてくれた言葉の中には、がんばらなくてもいいという許可と、存在の肯定と、味方であるという意思が含まれていた。
この時の出来事は、一生忘れないと思う。
人生何回目なの?ってくらいには、いつも前向きで、辛さを吐露しても笑い飛ばしてくれる、素直で優しいさくら。
「じゃあ、生きようかな」って、思わせてくれて本当にありがとう。
私の文章や言葉も、誰かを救えるものであってほしいな。
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