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【世界遺産×音楽】ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの『交響曲第9番』

お久しぶりです。
4か月も空いてしまいました…🙇‍♀️

今回は、ずっと書きたいと思っていた、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)の傑作、『交響曲第9番』についての記事です☺️

ベートーヴェン直筆楽譜は、ユネスコの「世界の記憶」にも登録されている『交響曲第9番』。

日本では”第九(だいく)”と呼ばれ親しまれており、特に第4楽章の主題は「喜びの歌」として演奏される機会が多いですよね🎵
年末が近づいてくると、各地のコンサートで演奏されています。


実は、今年2024年はこの”第九”が初演されてから200周年という、アニバーサリーイヤーなのです🎵💐

第九にはどのようなメッセージが込められているのでしょうか?
そして、この名曲は世界遺産とどのような繋がりがあるのでしょうか?

音楽好きな世界遺産マイスターの私が考察していこうと思います🤭

ベートーヴェン直筆楽譜
(CC BY Wikimedia)


交響曲第9番


ベートーヴェンが晩年の1822~1824年にかけて作曲し、彼にとって最後の交響曲となりました。
最終楽章(第4楽章)に独唱と合唱が加わることから「合唱付き」と呼ばれることもあります。

特徴的なのは、独唱や合唱の歌詞に、劇作家/詩人であるフリードリヒ・フォン・シラーの詩『歓喜に寄す』が採用されている点だと思います。

フリードリヒ・フォン・シラー(1759-1805)
(CC BY Wikimedia)


少し複雑ですが、曲の概要を説明しますね😌

第1楽章では、混沌から何かが生まれる様子(宇宙・世界の創造)が表現されており🪐🌏

第2楽章では、ギリシア神話に登場する神「ディオニソス(ローマ神話のバッカス)」(豊穣や芸術等の神)の世界観が表現されており🪽🍷

第3楽章では、ピュアな状態、悪に染まっていない”自然”的なものを哲学的に表現されている、と言われています🌱🌈

そして第4楽章では、これまで第1・2・3楽章で表現されてきたものを「否定の旋律」でそれぞれ否定するのです……❌

そこに、「喜びの歌」の旋律が登場すると、「これだ!これがやっと見つけた喜びだ!!」といった”喜び”が表現され、クライマックスに向かっていきます✨

※各楽章の捉え方は所説あります(各評論家の間でも様々な説あり)


ベートーヴェンは自身の難聴が直る見込みのないことに絶望し、一時は命を絶つことも考えました。
(ウィーン郊外のハイリゲンシュタットで、弟たちに書いた遺書が有名です)

しかし、”芸術”だけが自殺を引き留めてくれたそうです。

この『交響曲第9番』は、様々な苦悩と闘いながらも、自身の芸術家としての使命を全うしてきた、彼の人生そのものを表していると(私は)思います。


第4楽章が単体で演奏される機会も多いですが、第1楽章から第4楽章まで、全て揃ってこそ意味を成す作品だと思います😌✨

名指揮者、カラヤンが指揮するベルリンフィルの演奏を載せておきます🎵


それでは次に、世界遺産との繋がりについて見ていきましょう^^


世界遺産『ヨーロッパの大温泉都市群』


こちらはヨーロッパ7カ国にまたがり、11の温泉都市で構成される世界遺産で、18世紀から20世紀初頭にかけて、温泉を中心とした独自の都市文化が花開きました。

構成資産の1つであるオーストリアの「バーデン・バイ・ウィーン」は、ウィーンから南に約25㎞の距離にある街です。周辺にはワイナリーもあり、ブドウ畑が広がる景色も楽しめるそうですよ🍇

既に13世紀後半には温泉があったとされており、19世紀にはハプスブルク家の夏の離宮が置かれ、温泉保養地として貴族や芸術家たちが訪れていました✨

(CC BY Wikimedia)

実は、この地にベートーヴェンも保養に訪れており、当時のベートーヴェンは難聴などの苦悩と闘いながらも、ここで『交響曲第9番』の大部分を作曲したとされています!

彼が住んでいた家は、現在「ベートーヴェン・ハウス」と呼ばれる博物館となっています。


『ヨーロッパの大温泉都市群』、実は過去にも記事を書いておりました。チェコの構成資産、「カルロヴィ・ヴァリ」についての記事も良かったら読んでいただけると嬉しいです!



世界遺産『ウィーンの歴史地区』


「音楽の都」とも呼ばれるウィーン🎵
実は、この地で『交響曲第9番』が初演されました(1824年5月7日)。

「ケルントナートーア劇場」という、かつてウィーンに存在した劇場で、なんとベートーヴェン本人の指揮によって大成功を収めました。
4回もアンコールをしたという逸話もあります😳👏

しかし、難聴を患っていたベートーヴェンは観客の大喝采に気が付かず、ソリストの歌手がベートーヴェンを観客席に向かせたそうです。その時に始めて、交響曲第九番の演奏が成功したことに気が付いたとか🥲✨

その瞬間のベートーヴェンも、言葉で表せないほどの喜びに満ちていたのではないでしょうか。


そんな記念すべき初演を迎えた「ケルントナートーア劇場」は、1869年に「ウィーン宮廷歌劇場」が新設され、宮廷劇場の機能が吸収されると、1870年に閉鎖されました。

その跡地には、現在「ホテル・ザッハー」が建っています。ザッハ・トルテで有名ですよね。私も大好きです!笑

因みに、私事ですが、、
30歳の誕生日を迎える際に、自分への誕生日プレゼントとして一人旅をしたのですが、ホテル・ザッハーでザッハトルテを食べました😋なので、私にとっても思い出の場所です😍笑


ベートーヴェンの『交響曲第9番』初演の地で
ザッハ・トルテを食す😆笑



おわりに


多くの人が一度は耳にしたことのある「第九」のエピソードや、世界遺産の繋がりはいかがだったでしょうか?☺️

数多くの苦悩の中でも喜びを見出し、芸術家としての使命を全うした、ベートーヴェンの人生にもフォーカスして、また別の機会に記事を書きます🥲🎵

ドイツのボンという街で生まれたベートーヴェンですが、今回どちらもオーストリアの世界遺産を挙げてしまいましたね。笑

いずれ、「世界遺産×音楽」のオリジナルセミナーの題材にしたいと考えているため、、今回の記事は軽めに書いたつもりです。笑


今後も、マイペースではありますが、世界遺産や音楽について「面白い!」「これは知らなかった!」「奥が深い!」などと思っていただけるような記事を書いていきたいです😌✍️
よろしくお願いいたします🙇‍♀️

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンに敬意を込めて。
(CC BY Wikimedia)

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