どじょうの「柳川鍋」から、デイケアの調理活動を考える
どじょうの「柳川鍋」から、デイケアの調理活動を考える
「デイケアの中のひとが語る、精神科まわりのあれこれ」#58
先日、デイケアで(筍のあく抜きするところから)「若竹煮」を作ったよ、という記事を載せました。今回も、料理つながりで。
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これまでに(私が活動に関与した中で)デイケアで作った"最強の"料理は、どじょうの「柳川鍋」でしょうね。さすがに活魚のどじょうは捌けない(ああいう細長い小魚を捌くのは、素人には無理)ので、開いたものを魚屋で買ってきて(そもそも、東京でどじょうを置いている魚屋も珍しい)。
作るのは簡単でした。ごぼうを細めのささがきにして鍋に敷き、どじょうを載せて、濃いめに煮る。三つ葉を散らして卵でとじれば、出来上がり。ただ、実際には、煮汁が多すぎて、「柳川和風スープ」みたいになってしまいましたが(笑)。
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デイケアで調理実習をする機会は多いです。その目的は、簡単な調理に慣れること。ですから、自宅でもできる簡単なメニューを選ぶことが大事なのと、(患者様が自宅で再現できるように)自宅で行うのと同じ手順・量で調理することが大切だといわれます。
でも、私たちが料理をする目的は、他にもあるはず。楽しみやレクリエーションだったり(キャンプで楽しむバーベキューのイメージ)、コミュニケーションの手段だったり(子どもと一緒に作るイメージ)。また、精神疾患・障がいの治療・リハビリで調理を行うことを考えれば、「段取りを組んで実行する」(神経認知の実行機能に近い)、「役割分担をして協力する」などの体験を、治療に活かすことができます。
デイケアで「柳川鍋」を作ったのも、自宅で実行してもらいたいのではなく、レクリエーションとして行いました。実際、とても楽しかったです。こういう活動を、デイケアでは大切にしたいと思いますね。
(おわり)