「ある時はピンクのクマ、またある時は引き出し屋台、してその正体は?」(稲毛礼子さん・その1)
るーるる、るるる、るーるるー りら子の部屋です。
ある時はピンクのクマ、またある時は引き出し屋台。変幻自在に姿を変える謎の人物が、多摩地方のイベントに現れている、という噂が。
この謎の人物にスタジオ(?)にお越しいただきましたよ。
ちなみに、りらの中のひとは男です。そして、たまねぎ風ヘアでもありません。
ピンクのクマに引き出し屋台。その正体は「まちの作業療法士」!
― 今回のお客様は、まちの作業療法士としてご活躍の、稲毛礼子(あやこ)さんです。稲毛さんは、地元・東京都小平市を中心に、マルシェなどのイベントに、ピンクのクマの恰好で登場し、人気を集めているそうです。
クマになったのは、ちょうど1年前に、マルシェのハロウィンイベントに出ることになったものの、仮装とか持っていなかったんです。それで、着ぐるみのクマを引っ張り出したのがはじめですね。それしか持っていなかったんで。
― ていうか、クマ持っているのも、充分にすごいんですが。
今日は、頭だけ持ってきたんで、ちょっとかぶってみますね。
―で、クマになって、何をやっている?
イベントに出させていただいて、足湯とかハンドマッサージとかですね。あと、引き出し、とか。
本当は、まちの活動として、コーヒーの屋台とか、やりたかったんですよ。でも、もうやっている人もいるし、ドールハウスの“引き出しのある家具”を仲間と見ていて、どうせなら「引き出し」やろうか、ということに。「幸せを引き出す」みたいで、いいじゃないですか。
クマになって、幸せを引き出す
自分の五感を使って、好きなものを探し出してもらおう、思い出してもらおう、というのが、「引き出し」ですね。家具の「引き出し」を持ち込むんです。
引き出しのそれぞれの段に、五感にまつわる小物を入れているんです。“味覚”なら、飴とか、「視覚」なら、写真とか小さな絵本とか。で、選んでもらう。
ある時、おばあちゃんがやって来て、引き出しの中身を見ながら「私は、硫黄の匂いが好きで」とおっしゃる。他人様には嫌な匂いかもしれないが、自分は温泉地の育ちだから、硫黄の香りがすると安心するんだ、って。こういう話って、いいじゃないですか。
「りら」さんは、どんな感覚が、安心しますか?
― えー、そうだなあ。梱包材の“ぷちぷち”を、一列ごとに順番にぷちぷちすることかな。あれ、気持ちいじゃないですか。一列ずつ順番に全部潰したいですね(笑)
ー なんだか、すでに“魔法にかかった”気分。こうして話していること自体が、すでに楽しい。ピンクのクマの魔法ですね。選ぶ楽しさを、アクティビティにうまく落とし込み、その人の温かい何かを引き出す所が、ベテラン作業療法士さんだな、と感じます。それにしても、稲毛さんは、なぜこのような活動に取り組むことになったのでしょう。そのあたりは、次回のお楽しみ。CM入りまーす!
※このインタビューは、東小金井駅前の居酒屋さんで、軽く飲みながら行っています。そのため、録音できず、会話を逐語で起こすこともできません。この記事は、私のメモ(と記憶)から、再構成したものです。あしからずご了承ください。
(つづく)