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精神障がいでは、職場定着・就労継続に課題あり
精神障がいでは、職場定着・就労継続に課題あり
(「精神障がい当事者の就労支援あれこれ」シリーズ#43)
精神障がい当事者への就労支援の「魅力と課題」を記すシリーズです。この話題では、久しぶりの投稿となってしまいました。
私の大切なフォロワーさんが、就職の内定を得た、と記事に書かれていらっしゃったことが、職場定着・就労継続という話題を選んだ動機です。
病気・障がいと付き合いつつ働き始める(働き続ける)皆様への、エールのつもりです。しばらくの間、お付き合いください。最初は、短めです。
1.就職はゴールではなくスタート。働き続けられることが大切
就職活動をされてきた方々にとって、内定や採用の辞令をいただくことは、これまでの取り組みがひと段落する、ほっとする瞬間となるでしょう。けれども、(当たり前のことなのですが)内定や採用は“ゴール”ではなく、これからの職業生活の“スタート”なのです。
大切なことは「働き続ける」ことなのです。働き続けることで、自分らしい生活を営むための経済的・社会的な基盤を徐々に築いていくことができます。
2.「職場定着」と「就労継続」
障がい者の就労支援の現場では、「職場定着」と「就労継続」という語は、あまり区別しないで用いられているように思います(違っていたらごめんなさい)。
ざっくり、「職場定着」とは、就職直後からの短期的な視点における「仕事を覚え、職場に馴染む」ことを指し、「就労継続」とは、文字通り「長い期間、働き続けること」を指します。
これからは、両者のニュアンスを意識し、言葉を使い分けることにします。
3.職場定着・就労継続の課題-離職率の高さ
精神障がいでは、職場定着の難しさ・離職率の高さがしばしば指摘されます。精神障がいでは、1年間に約半数の人が離職してしまう、という数字が示されています(データを含め、過去記事にまとめています)。
精神障がい当事者にとって、就労継続が難しい、離職率が高くなってしまう、ということには、いくつかの理由があると考えられています。その中で、当事者側の事情について、次回以降に具体的に触れたいと思います。「働き続ける」ために、どのような工夫ができるのか、ともに考えていきましょう。
(つづく)