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サンタの贈りもの。

とても有名な、今から120年ほど前のお話。8歳の女の子がニューヨーク・サン新聞にこんな質問を送った。

「サンタクロースって、ほんとうに、いるんでしょうか?」

この質問に新聞記者はこう答えた。

「サンタクロースを見た人がいなくても、それがサンタクロースはいないという証明にはならない」

(※上記リンク記事より)


サンタクロースを見た人はいない。
だけどそれが「サンタがこの世にいない」という確実な証明にはならないのだ。

小さい頃、イブの夜には父が枕元にクリスマスプレゼントを置いていってくれていた。ラッピングされた可愛い箱、今思えばおもちゃ屋さんの普通の包装紙だけど、子供の私はワクワクして待っていた。

だけど、それを誰が置いてるかなんて実はとっくにわかってる。父が夜中にそっと階段を上がる音、襖を開ける音。田舎の静かな一軒家にはかすかな音さえ響き渡る。私いつも目をぎゅっとつむって、暗い部屋で寝たフリをする。サンタクロースはお話の中にしかいない架空の人物だ、と幼稚園の頃から知っていた。


いざ自分が親となり、子供にサンタからのプレゼントをする際には細心の注意を払った。前もってサンタさんへの手紙を書かせて、プレゼントのリクエストを書かせる。もちろん直接は聞かない。パパの実家の住所をローマ字で書き、ポストに投函する。またある時は「枕元に置いといたらサンタさんが持っていってくれるよ」といって手紙を枕元に置かせ、寝た後にそっと抜き取る。


そのリクエスト通りにプレゼントが届くのだから、小さい子なら簡単に信じてしまうだろう。大人たちの巧妙なチームプレイで、子どもたちは小学校に入ってもまだサンタさんを信じていた。「いい子じゃないとプレゼントもらえないよ〜!」の魔法の言葉もだいぶ使わせてもらった。



今はもう、子供たちもサンタの存在を信じてはいない。でもあれは、私たちも子供に「夢」というプレゼントを与えていたに違いない。

子供たちに夢を与えるのがサンタだというのなら、子供を持った親は全員サンタクロースになることができるんだ。

本当のサンタさんは透明マントを持っているかもしれないし、あり得ない俊足であっという間に走り去るから、私たちの目には見えないのかもしれない。プレゼントをもらった記憶は翌日消されてるかもしれない。100%いないという証明はできない。

小学生になると、子供達は物事を理論的に考えることができるようになるので、サンタを信じなくなるらしい。

サンタはいないのに、どうしてこんなに信じられているのか?そんなことを考え始めるかもしれない。いつか本当に空飛ぶソリが開発されるかもしれない。いつか誰かが本当のサンタになるかもしれない。

たくさんの「かもしれない」。想像力は原動力。今は夢でもいつか現実になる可能性がゼロではないのだから、たくさん持ってるに越したことはない、よね?





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