選ばれし者〜スキがお金になる世界【お礼ショート for かっちーさん】
ここは、スキがお金になる世界。
noteはさらなる進化を遂げた。
ついに、スキは無限につけることができるようになった。noteの人口は爆発的に増えていく。
『この世界の決まりごと』
●”スキ”するのは無限にできる(相手のお金になる)
●”スキ”の数がそのまま収入になるけど、数は自分にしかわからない
とある昼休み。
会社でパソコンの画面に向かっていると、ふと背後から声をかけられた。
「社長も、note始めてたんですね!」
これはうっかりした。
ついつい書くことに夢中になって、部下が近づいてくるのにまったく気づかなかった。いつもなら人の気配でとっさにウインドウを隠すのだが。慌てて隠そうとするのも逆に恥ずかしい。
「良かったら、フォロワーになってもらえませんか?」
ーどれどれ。noteを見せてもらう。なるほど、なかなか興味深い記事だ。部下がnoteを書くことで会社にもたらされる効果。うどんを効果的に売る方法とは。などなど。
私は部下と、フォロワーになった。
ーー
スキがお金になってから、フォロワーが激増した。フォローしてもらう分には有難いが、3日で100人単位で増えていくと、見る側もなかなか大変である。
部下が去った後、私はnoteで彼のページを開いた。
フォロワー856人。なかなか稼いでいるらしい。
周囲に今度こそ誰もいないことを確認すると、フォロー中のボタンの隣にある、黒いボタンをそっと押した。
ーこれは、私にしか見えないボタンだ。
フォロワーが1万人超えたある日、あるメッセージが届いた。
おめでとうございます!
あなたは選ばれました。フォローされてる方の心を丸裸にするボタンを追加しました。この黒いボタンを押して、その方が良い方か悪い方かを教えてください。教えて頂ける分だけ、あなたの生前の業が軽くなります。
まさかそんなことが…!
しかし。
目の前には、たしかに黒いボタン。
さっきまで何もなかったのに。
試しに、ボタンを押してみた。
すると、その人が今までどんなことをしてきて、何を考えてきたのか、詳細にわかるようになっている。これはすごい。
ーふむ、部下の彼はなかなか良い人生を送ってるようだ。
しかし、私は良い場合にしか報告したことがない。そもそも何が良いのか、説明書きが一切ない。
ー私の勝手な自己判断でもし誰かに不幸が訪れるのだとしたら…
そんな後味の悪いことはない。天国行きか、地獄行きか。それこそ神のみぞ知る、だ。
ある夜。
お気に入りのチタンカップに、スコッチウイスキーを入れてちびちびと晩酌を楽しんでいた。
と。
急にスキの数が1000000スキ増えた。
あわててnoteを開く。
とある新規フォロワーさんからだった。
はじめまして。さわこと申します。
あなたの記事を読めば読むほど面白くてハマってしまい、ついスキをたくさん押してしまいました。私も若い頃はインドやブータンを旅するバックパッカーでした。ドイツに留学していたこともあります。嬉しくてついたくさんスキを押してしまいました。どうか私のスキを受け取ってください。
ちょっと胸がくすぐられるような文章を読むと、すぐnoteを閉じた。たいした内容ではない。だが、隣りでテレビを見ている妻にはなんとなく見られたくなかった。
それから、彼女とはメッセージやコメントでいくつかのやりとりをした。スキも毎回たくさん押してくれる。おかげでだいぶ貯蓄が潤ってきた。
どれもたわいない話ばかりだ。旅好きにはミニマリストが多いとか(さわこもミニマリストらしい)、ダイエットにはプチ断食がおすすめだ、とか。話が尽きることがない。妻にはスルーされてしまう話も、さわこはウンウンとよく聞いてくれた。
私も50代に入り、娘も成人してだいぶ人生を謳歌している。今更恋をすることなどあり得なかった。
ーだが、何と呼べばいいのだろう。
話してると、もっともっと話したくなってくる。
話題の絶えない彼女はきっと、目をくるくる輝かせ、さもいま起きた出来事のように楽しそうに話すだろう。彼女がいったいどんな表情でこれを読んでいるだろうか。
ーこの気持ちは、いったい。
会って話してみたい気持ちは、ないと言ったら嘘になる。しかしもし、この気持ちに少しでも恋が入り込んでいたら。
私は家族が大事だ。
妻と娘とのいい感じに距離を保った関係が心地よい。これを崩してこの先の人生を乗り切るのは不可能だろう。
私は、彼女とのやりとりをやめた。お返しに1億スキを送った。
ーー
「うん、やっぱりこの人は○ね」
ここしばらくやりとりをしていた男性だ。既婚。50代。社長業。さわこは彼のページにある黒いボタンを押すと、フォームから○を送信した。
さわこは、選ばれし者だった。
ランダムにフォロワーにスキをたくさん送り、どう反応するかトラップをしかけるのが彼女の役目だ。無事乗り切り、お返しに1億スキもくれたので◎をあげたいくらいだ。
さて、お次は…。
ースキが大量に交錯する世界。
選ばれし者たちによる策略は、まだまだ続く。
…………
このストーリーは、
PONO@こもりびとさん企画「スキの数がお金の世界」に(勝手に)参加させて頂きました!
そして…
Noteの世界観の似合うかっちーさんのイメージストーリーとして、書かせて頂きました。
先日肩に乗せて頂いたお礼ショートとして、少しでも楽しんで頂けたらと思います。むしろ書いてて私の方が楽しかった*˙﹀˙*)
うどんな人気者として注目を集めるかっちーさん。その豊富な人生経験から滲み出る面白さとダンディーさを武器に、いつも視野の広い記事に楽しませて頂いています❗️
紹介記事ありがとうございます☺️✨
かっちーさん家族の爆笑仲良し話はこちら🎵
仲良し話はこちらにも❣️
いつもありがとうございます💓
これからもどうぞよろしくお願いします(*ᴗˬᴗ)⁾⁾
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