【旬杯ストーリー・転】星降るエクスプレスに乗って
⭐️承
⭐️転
菜々は時刻表に挟んであった切符を手に、東京駅へ向かった。
見たことのない切符だが、おそるおそる自動改札に入れるとすんなりと通れた。
夜でも多くの人が行き交う東京駅なのに、菜々の乗る予定である11番線のホームには誰ひとりいない。間違えたのかと時刻表を確認するが、やはり合っている。ほどなくして滑らかな濃紺の車体がホームに滑り込んできた。
菜々が乗り込んで席に座ると、列車はするりと動き出す。少し埃くさい車両の匂いや緩やかな揺れが、地元のローカル線を思い出させる。窓には室内の灯りが一列に映り込み、通り過ぎていく夜の街を眺めてるうちに、菜々はいつしか眠りに落ちていた。
「次は夢見駅、夢見駅に停車いたします」
アナウンスに目を開ける。停車してドアが開くと、見知らぬ男性が一人乗ってきた。同じくらいの年だろうか。彼が車両の前の方に座ると、列車はまた走り出した。
ふと窓の外を見ると、そこには遮るものひとつない星空が広がっていた。
どこまでも広がる暗闇に、煌めく星たちがひしめき合っている。手を伸ばせば届きそうな距離に、星が降り注いでいる。まるで、星の海のようだ。
「あれ?ここは..?」
街の灯りは何一つ見えない。
ずいぶん遠くまで来てしまったようだ。
時刻表をよく見ると、
夢見駅からはくちょう座が見えるらしい。
菜々が空にはくちょう座を見つけたとたん、はくちょう座が暗闇の空から切り取られ、青白く輝いて羽ばたき出した。その背には虹色に輝くものを乗せている。
時刻表にはこう書いてあった。
「次は終点、美夢郷、美夢郷駅に止まります。ご乗車の皆さま、どうぞお忘れ物なきようよろしくお願いいたします」
・起ストーリー
🎆最終締切は7月21日です🎆
【承、転、結】
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