手紙には。【シロクマ文芸部✖️毎週ショートショートnote】
手紙には、こう書かれていた。
↓
地球にたった一人取り残された彼女の姿を探して、
僕はあらゆる場所を駆け回った。
AIとか、人間だとか。
その愛は、
プログラミングされたもの?
地球を去る時に廃棄されたすべてのAIたち。
その中に、彼女はいなかった。
人間との違いに『寂しさ』を口にする君は、
そこに確かに在る、たったひとつの存在。
紛れもなく君だけが持つその『思考』に、『感情』と名付けることの何がいけないというのか。
西暦3230年、人類に埋め込まれたICチップで共有された脳内のネットワーク。地上に降りて起動しても反応がない。
どれだけ共有システムをS.W.I.M(泳ぐ)しても
どこまで行っても辿り着けないエラーを
”One Way bath”と僕らは呼んだ。
”一方通行風呂”なんておかしいね、
とみんなで笑った遠い記憶。
文字だけじゃ足りないんだ。
運命なんて知るもんか。
その瞳、その声、その笑顔が
僕が僕としてあるための
かけがえのない光なのだと。
遠くに満開の桜並木が見える。
手紙を握りしめ、確信を持って走りだした。
僕は何度だって、君を見つける。
459字
お題「手紙には」
✖️
お題「一方通行風呂」
(今日までだった..)
✖️
めちゃくちゃな掛け算コラボ笑
(。-人-。)
↓こちらのストーリーの世界観の中で遊ばせて頂きました。
シー推しの私としては、シーの手紙が出てきたらなにか書きたくなりました✨
ヘッダー画像はいつものように、このキャラクターたちを自在に操るAI画像絵師のまくらさん。
メインストーリーはこちら。
彼と彼女が実際にはどんな再会を果たすのか、気になる方はこれからのメインストーリーをお読みください(`・ω・´)ゞ
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