【旬杯リレー小説・転】笑い合っていたいから
⭐️起
⭐️承
⭐️転
幼い頃、いつもそばに母がいてくれた。
それはもうことあるごとに、ぼくがもういいよ、って言ってもギューっと抱きしめてくれた。楽しい時、嬉しい時、そして怒った後も「ごめんね」って抱きしめてくれる。
それって実は、自分のことも抱きしめてるんだってこと、ぼく知ってるんだ。
中学生になって少し照れくさくなると、その手で抱きしめてくれることはさすがになくなったけど、母はいつも全力でぼくを信じて守ってくれる。
ぼくが星をつかみに宇宙飛行士になりたいって言った時も、やっぱりあの時見た青空が忘れられなくてパイロットになりたいって言った時も、笑ったりしないで真剣に応援してくれた。
母は時々ひとりになって、
泣いていること、ほんとは知ってるんだ。
だから、今度はぼくがあなたを守ってあげるよ。
ぼくがもらったたくさんの、大切な大切な宝物。
ちゃんとこころの中にしまってある。
だから、悲しいときは一緒に泣こう。
楽しいときは一緒に思いきり笑おう。
いつか離れても、ひとりじゃないよね。
一緒にあの空へ行こうよ。
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